Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

お風呂によって生まれる心の豊かさを伝えられる…『湯道』生田斗真さんと小山薫堂さんと鈴木雅之監督迎え舞台挨拶開催!

2023年3月3日

弟の代わりに銭湯の店主として過ごす兄と、常連客たちとの日常を描く『湯道』が全国の劇場で公開中。3月3日(金)には、京都・九条のT・ジョイ京都に生田斗真さんと小山薫堂さんと鈴木雅之監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『湯道』は、お風呂を通じて交差する人間模様を描いた群像ドラマ。亡き父が遺した銭湯「まるきん温泉」に戻ってきた建築家の三浦史朗は、店を切り盛りする弟・悟朗に、銭湯をたたんでマンションに建て替えることを伝える。一方、郵便局員の横山は「入浴、お風呂について深く顧みる」という「湯道」に魅せられ、湯道会館で家元から湯を学んでいる。定年後は退職金で自宅に檜風呂を導入したいと考えているが、家族には言い出せずにいた。そんなある日、まるきん温泉のボイラー室でボヤ騒ぎが発生し、悟朗が入院。店の看板娘・いづみの助言もあり、史朗が弟に代わって数日間だけ店主を務めることになる。
『おくりびと』などの脚本家で放送作家の小山薫堂さんが、自身の提唱する「湯道(ゆどう)」をもとにオリジナル脚本を手がけた。生田斗真さんが主演を務め、弟の悟朗役を濱田岳さん、銭湯で働くいづみを橋本環奈さんが演じる。監督は「マスカレード」シリーズの鈴木雅之さんが務めた。

 

今回、上映前に生田斗真さんと小山薫堂さんと鈴木雅之監督が登壇。本作が京都で撮影されたことを受け、和やかな雰囲気の中で舞台挨拶が繰り広げられた。

 

『湯道』の聖地でもある京都に立ち、生田さんは「映画が心の奥底まで届くことを願っております」とメッセージ。「湯道」の”家元”でもある小山さんは「僕の中の人生が連鎖して、”湯道”が誕生したなぁ」と感慨深げだ。2012年に料亭「下鴨茶寮」の経営を引き受け「茶道にふれたことで、新しい”道”を閃き、”湯道”になり、大徳寺真珠庵の和尚様に御相談をして、”湯道”が2015年に誕生しました。これがなければこの映画はなく、京都で生まれ育てられた”湯道”です」と紹介。鈴木監督は「橋本環奈の代わりに…」と冗談を言いながら「この映画は一昨年の暮れに2ヶ月半程京都で撮りました。私事ですけれども、京都ではだいぶ映画を撮っております。延べ2年半ぐらい京都に住んでおります。是非とも京都発祥の映画&私も半分京都民ということで、京都からこの映画を沸かして頂きたいな」とお願いしていく。

 

公開から1週間経ち、生田さんにも「本当に良い映画ですね」「本当に感動しました」と感想の声が届いており、嬉しく喜んでいる。小山さんは「凄く豪華なキャスティングですね」「カメラワークが素晴らしいですね」という声を受けながら「観て、お風呂に入りたくなった」という感想を多く聞いていた。「それだけで幸せです」と喜んでおり「これをきっかけに、皆さんの人生の中で、お風呂の見え方が変わったり、”お風呂って良いな”って思ってもらえたりすれば。そして、全国の銭湯や温泉を経営している皆さまの勇気や誇りにつながったら良いな」と期待している。鈴木監督にも好意的な人達の声が届いており、お客さんにも後押しした。

 

一昨年の冬に京都の松竹撮影所で撮影されており、生田さんは「自分が住んでいる街を離れて、違う土地で映画のことだけを考える日々は贅沢です。京都は人も良いですし、食事も美味しいところが沢山あるので、いいのかな、っていうぐらい幸せでした」と楽しんだ。撮影期間中には、鈴木監督と一緒にお風呂に入ったことがあり「撮影が終わってから、夜皆が集まって”一緒にお風呂に入ろう”という機会があった。薫堂さんのお薦めのお風呂に御呼ばれして一緒に湯を共にしました」と明かす。お風呂を共にし「昨日よりもその人のことが好きになったり、よりその人のことを深く知れたような気持ちになったり。お湯の魔力や魅力に出会った気がしました」と効果を実感している。京都で沢山の映画を撮っている鈴木監督は「京都大好きなんですよね。年に1回、京都に2ヶ月半ぐらいいるんですよ。でも、ほとんどは太秦あたりにしかいないので、都会には来ない。偶に薫堂さんに呼ばれてご飯を共にするときは、川を渡ってくる状況です」と新鮮に感じていた。小山さんは撮影現場に二度伺っており「セットにビックリしました。まるごと銭湯が松竹撮影所に再現されている。お湯もしっかり出ている」と報告。ご自身もエキストラとして出演しており「あれを見つけたら、幸せになれると思いますね。徳が舞い込むと思います。何度も観て、見つけて下さい」と提案していく。なお、京都の銭湯については「全部良い」とべた褒めで「水が良いので、京都の人達は羨ましい」と絶賛。賑わっている銭湯についても「混んだ時、目が合った時に、湯舟で感想を語り合うのはこの映画ならでは」と提案する。

 

お風呂について、生田さんは「『湯道』を通して、自分が銭湯に行っていた時の思い出を振り返ると…出身の北海道で、祖父に銭湯に連れて行ってもらったことを思い返しましたね」と懐かしみ「北海道は寒いですが、御家の近くの銭湯に一緒に歩いていって、銭湯でポカポカに熱くなった体を冷ましながらの帰り道の時間が楽しかったなぁ、と昔の記憶を呼び覚ましてくれた映画ですね」と紹介。鈴木監督は「お風呂ないと困りますよね。お風呂良いですよね。お風呂嫌いな人はいないんじゃないかな」と力説し「1日の終わりにお風呂に入って、最後に熱々にして追い焚きしながら本を読む。そしてパッと出て冷たい水をかぶるのがマイブームですね。”生きているな”って感じがしますね」と披露。これを受け、生田さんは「日本に住んでいると、お風呂があるのが当たり前だから。遠ざかる時間があまりない」と説き、濱田岳さんによる「しばらくアフリカ等の遠い地に数ヶ月行っていると、お風呂に入りたくて入りたくて堪らなくなる。日本に帰ってきて、改めて湯舟に浸かると、”やっぱり、コレだよね”って。コレがないと生きている感じしないよね」という見解を解説。そして、小山さんは「湯道温心」と一言で魅力を表す。

 

「湯道」について、小山さんは「日本人は、お風呂に入ることが当たり前過ぎて、作法を語るまでもない。全く知らない外国の人からは『何度のお湯に入るんですか』『お風呂の掃除はどうやってやるんですか。道具を使うんですか』と驚くような質問がある。これを日本の文化として発信することで、日本の魅力が高まり、お風呂に入る心地良さやお風呂によって生まれる心の豊かさを伝えることが出来るかな」と提言する。生田さんは外国のホテルでのエピソードを体を使って表し「湯舟入りたいよね」と伝えていく。なお、湯道の如く突き詰めていることについて、生田さんは「カレーですね。好きなんですよ。地方ロケ等、自分の住んでいる土地じゃない別の場所に行くと、良いカレー屋さんないかなぁ、と探しています。今は、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるわんぱくカレーが好きですね」と話す。鈴木監督は「今は、家元と共に『湯道』のことばかり考えています。『湯道』のスピンオフをやったんですが、湯が人と人をつなぐ道、というのが良いな。”湯道”という言葉が入って来ている最中」と作品にまっしぐらだ。最後に、生田さんは「京都をスタートに全国各地の皆さんに届けたい。そして、この映画をきっかけに毎日のお風呂がもっともっと楽しくなってくれることを心より祈っております」と伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『湯道』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts