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ウクライナの首都キーウの郊外で起きたバビ・ヤール大虐殺を記録映像で辿るドキュメンタリー『バビ・ヤール』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2022年9月27日

(C)Atoms & Void

 

第2次大戦中キエフ郊外の谷、バビ・ヤールでの悲劇の証言を集めたドキュメンタリー『バビ・ヤール』が9月30日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『バビ・ヤール』は、『ドンバス』のセルゲイ・ロズニツァ監督が、第2次世界大戦における独ソ戦の最中にウクライナの首都キエフ(現表記キーウ)郊外で起きた「バビ・ヤール大虐殺」を描いたドキュメンタリー。1941年6月、ナチス・ドイツ軍は独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻。占領下のウクライナ各地に傀儡政権を作りながら支配地域を拡大し、9月19日にはキエフを占領する。9月24日、キエフで多数の市民を巻き込む大規模な爆発が発生。実際はソ連秘密警察がキエフ撤退前に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破したものだったが、疑いの目はユダヤ人に向けられた。翌日、当局はキエフに住むユダヤ人の殲滅を決定し、9月29日から30日のわずか2日間で、キエフ北西部のバビ・ヤール渓谷で3万3771名のユダヤ人が射殺された。ホロコーストにおいて、1件で最も多くの犠牲者を出したとされる事件の過程とその後の歴史処理を、全編アーカイブ映像で描き出す。

 

(C)Atoms & Void

 

映画『バビ・ヤール』は、関西では、9月30日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、10月1日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場と神戸・元町の元町映画館で公開。

ユダヤ人の大虐殺が行われたのはドイツ国内の強制収容所だけではなかった。1941年にウクライナでも起きていたことを初めて知った次第だ。本作では、最小限の説明字幕と鮮明な映像によって語られていく。当時を生きた何者かが意図を以て撮影した戦時中の膨大な記録映像を再編集して1本の映画に仕上げたことで、十分たるメッセージを伴って観る者に訴えてくる。本作が映し出す「バビ・ヤール大虐殺」は、たった1日の時間内で3万3771名のユダヤ人が射殺されてしまった。さすがに映像が残っていないか、残酷過ぎて観せられないか。虐殺の直接的な映像は映し出されないが、直前の集合写真を見せられるだけでも痛ましい。このような1本の作品として纏められる、と思われていなかっただろうが、当時と現在では映像がもたらす意味が違っている。2022年の今こそ観るべきである作品だ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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