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奈良を感じつつ、家族で語らうきっかけになれば…『かぞくわり』塩崎祥平監督と主題歌を担った花*花を迎え、大阪初日舞台挨拶開催!

2019年4月5日

古い歴史を持つ奈良を舞台に、奈良に伝わる伝説に登場する姫の生まれ変わりである女性の姿を通して家族のあり方を映し出す『かぞくわり』が4月5日(金)より、大阪の劇場でも公開。初日には、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋に塩崎祥平監督と主題歌を担った花*花の2人を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『かぞくわり』は、民俗学者で作家の折口信夫の小説「死者の書」をヒントに日本の家族のあり方を描いていく。奈良の地に現存する1300年以上の歴史を誇る寺。その寺には曼荼羅を一夜にして織り上げたという伝説の姫がまつられている。奈良のごく平凡な家庭で育ち、画家になることを夢見ていた香奈はこの姫の生まれ変わりだったが、画家になるという夢を親に拒絶された彼女は、38歳になっても定職にも就かずに両親とともに実家暮らしを続けていた。そんな香奈の前に現れた謎の青年が香奈を画家の世界へと導いたことにより、街全体を巻き込んだ大騒動へと発展。そして、ついに香奈の中に眠っていた姫の魂が目覚め始める。
香奈役を「宝塚歌劇団」元宙組トップ娘役で本作が映画初主演となる陽月華さんが演じるほか、両親役を小日向文世さん、竹下景子さんが演じる。監督は奈良県で映画製作を続けている塩崎祥平さんが担う。

 

上映前に、塩崎祥平監督と花*花のこじまいずみさんとおのまきこさんの2人が登壇。楽曲の話題を中心に賑やかな舞台挨拶が繰り広げられた。

 

花*花の2人は、本作を観た上で楽曲制作を実施。作曲担当のおのさんは無音状態のエンドロールを眺めながら「さぁどうしようか」と当初は困惑。「とにかくラストシーンの景色が綺麗だった。どんな音楽が流れてきたら美しいか」と考えながら制作した。作詞担当のこじまさんは「古都奈良を舞台にして、大きなキャンバスに様々なものが描かれている」と夕焼け後に浮かび上がる奈良の街並みを実際に見ながら「物語が撮られたことを想像しながら言葉を選んでいきました」と語る。塩崎監督は「楽曲制作前に1回だけ打ち合わせしました。漠然とした説明しかできなかったが、短い期間で仕上げて頂きました」と述べ、出来上がった楽曲に対し「映画にピッタリだ」と太鼓判を押す。コメントを受け、おのさんは「音楽が完成した時に『映画にピッタリくるよね』と私たちの中では思っていました。監督も同じ気持ちで聞いて頂けたらいいな」と願っていたことを明かした。

 

楽曲制作にあたって、おのさんは「今回は、映像が伴ったストーリーがあるので、寄り添って作りやすかった」と一安心。こじまさんも「お互いの生活や印象的な出来事があるから制作できます。音楽以外の芸術からも影響を受けています。この映画がなければ生まれなかった楽曲ですね」と喜んだ。

 

本作は、家族がテーマの作品であるが、こじまさんは「主人公を決められない映画であり、様々な角度で観れる作品。あなた、という言葉は聴いたお客さんに想像できるようにしました」と解説。これを受け、塩崎監督は「奈良という土地に合わせ、先祖とのつながりにおいても、先祖をあなたと捉えることもできますね」と反応。「映画で家族の問題を語る時に、ご先祖様の存在は欠かせない」と考えており「奈良は家族発祥の地とも言える。奈良で核家族社会の在り方を考えるのは意味がある」と確信した。

 

最後に、おのさんは「最後のエンドロールまでお楽しみください」と伝え、こじまさんは「ご覧になった後、家族を思い出したり、奈良に行きたくなったりする、心に軌跡を投じる時間になれば」と願っている。塩崎監督は「東京、奈良、名古屋での上映が終わりまして、大阪にようやく辿り着きました」と関係者を労い「映画は時空を超えたファンタジーの世界が繰り広げられます。奈良に行くと不思議な世界を感じることもありますので、映画をきっかけに奈良を感じてもらいつつ、家族で語らうきっかけになれば」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『かぞくわり』は、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で4月11日(木)まで公開。また、九条のシネ・ヌーヴォで4月13日(土)より公開。なお、今夏には、神戸・元町の元町映画館、京都・九条の京都みなみ会館でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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