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誰もが事件を起こしてしまってもおかしくない…!『Noise ノイズ』松本優作監督を迎え舞台挨拶開催!

2019年3月29日

2008年に秋葉原で起こった、過去30年で最悪とされる通り魔事件に着想を得て、現代人の孤独な群像や精神的な飢餓感を浮き彫りにするヒューマンドラマ『Noise ノイズ』が3月29日(金)より関西の劇場で公開。初日には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に松本優作監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『Noise ノイズ』は、無差別殺人事件から8年後の秋葉原を舞台にした群像劇。2008年に起こった秋葉原無差別殺傷事件から8年。事件で母親を殺された地下アイドル、父との関係がうまくいかず家出をして秋葉原で生きようとする女子高生、母親に裏切られ、日々の苛立ちを秋葉原の街にぶつける配達員の青年。それぞれが苦悩や心の葛藤を抱えながら、秋葉原という街で生きる人びとの孤独や闇が描かれる。
アイドルユニット「プティパ」の篠崎こころさん、アイドルグループ「オトメブレイブ」の安城うららさんが主要人物である2人の少女を演じ、布施博さん、仁科貴さん、小橋賢児さんらが脇を固める。

 

上映後、松本監督が登壇。兵庫県神戸市生まれの松本監督は、ビジュアルアーツ専門学校 大阪で映画を勉強しており、本作を大阪の映画館で上映でき、感謝の気持ちを伝えた。

 

本作は、2008年の秋葉原無差別殺傷事件をモチーフに現代を描いた作品。松本監督が神戸にいた頃、このニュースを見た同じ時期に親友が自殺し「人が追い込まれた時、自殺をしたり無差別に人を殺したり…何れかにいきついてしまう」と考えるようになった。学生時代には、大阪・十三で『』の基になる短編2本を制作後、仕事で上京。TV業界に入り、業界の怖さを思い知る。殴られたり蹴られたり暴言を言われたりすることが毎日続くような現場ばかりで、苦しくなってきた時には「僕も事件を起こしてしまってもおかしくない」と感じ、共感してしまった自分自身が怖かった。この経験を契機に「長編映画として撮ってみたい」という思いに至る。2015年から撮影し、1年かけて編集し続け、海外の映画祭に出品しながら、ようやく本公開を迎え「映画を作るには時間を要する」とつくづく感じた。

 

なお、本作のきっかけは、秋葉原の無差別殺傷事件であるが、犯人の人物像を探っていく中で、過去の事件も深堀して調べている。下関と池袋でも同様の事件が起きており、下関の事件で犯人が捕まった時、中上健次さんの小説『19歳の地図』からの一節を書いたメモが見つかった。犯人は物語の主人公に自身を投影しており「犯人の人物像を作るにあたり、遡れば、どうしても永山則夫に行きついてしまう。これは、日本の死刑制度の基準を作った事件である」と述べ「僕自身は、永山則夫が書いた『無知の涙』に影響を受けている」と明かす。また、秋葉原無差別殺傷事件の犯人である加藤が事件を起こす前にBUMP OF CHICKENによる楽曲「ギルド」の歌詞を掲示板に書いているが、脚本執筆段階では盛り込まれていない。だが、配達員の青年を演じた鈴木宏侑さんが役作りをする上で歌詞に辿り着き、取り入れることにした。

 

キャスティングにあたり、当時の秋葉原で仕事をしていた方に出会い、出演してほしかった。彼女達がどういう経験をしたのか聞いた上で脚本づくりに取り組んでいる。特に、ベテラン俳優である布施博さんは、現在は若手を育成する立場にいるが「知り合いの知り合いだった。自主映画に出演したことがなく、興味を持って頂いた」と話し「女の子の父親という役柄にピッタリだったのが決め手」と告白した。なお、最後のシーンは8分程度を1カットで撮影している。台本では1行だけだが「篠崎こころさんがこれまでの人生で様々な経験をしており、それを基にして撮影前に2時間ぐらい会話し、どういう映像を撮るべきなのか考え一発撮りにした」と明かし「モニターを見ながら次にどうなるか分からない状況だった。結果として、ドキュメンタリーに近い劇映画になっています」と解説した。

 

最後に、本作について「構成的には分かりにくい部分があると思いますが、もし宜しければ、もう1回観て頂けたら、分からなかったシーンも見えてきます」と提案する。構想段階からの出来事を振り返り「作り始めた時は公開することすら想像できていなかった。映画祭に出品して評価がよかったらいいかな、と思っていた。今回、お客様に観て頂く機会が出来たことを嬉しく思っています」と感謝の気持ちを伝えながら「様々なコメントを頂き賛否が分かれていますが、捉え方次第です。それを読んで次に活かしたい」と前向きな思いを伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『Noise ノイズ』は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開中。また、4月6日(土)より、神戸・元町の元町映画館と京都・出町柳の出町座でも順次公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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