「こいつら、ただのガキじゃねえぞ！」翻弄される雑魚キャラたちの台詞に、心の中で拍手する。そうだぜ、この二人を誰だと思ってるんだ！

舞台は前作からそのまま続いている世界。殺し屋業界でも有名になりつつある二人は、新たなミッションに身を投じる。その理由を聞くと、「いやいや、キミら相変わらず何やってんの。。。」と期待通りに脱力してしまうぐだぐださが可笑しい。キャラの魅力は前作からのファンの期待にも応え、初見の者も魅了する。エキセントリック美少女キャラの高石あかりさんと、アンニュイ陰キャで最強のインファイターの伊澤彩織さんの二人はさらに魅力的になった。本作の敵キャラの一人を演じた丞威さんはスマートなルックスとキレッキレのアクションが凛々しく、愛嬌のある弟役を演じた濱田龍臣さんと合わせて、むしろ仲間になってほしい愛すべきヴィランとして立ちはだかってくる。そして、前作よりも描写が細かくなったサブキャラ達にも注目だ。筆者の一番のお気に入り、水石亜飛夢さんが演じる処理班の田坂さんが大活躍！前作のソフトには彼のスピンオフも収録されているが、さらなる単独主演作を望みたい。

アクションシーンも前作に劣らずパワーアップしていて、室内でも屋外でも地形を立体的に生かしたアクロバティックな動線に、その場にあるものを利用した生の格闘アクションが完全にフィットしていて、目まぐるしくも華麗で美しかった。アクションのスピーディーな展開と緩い会話シーンの緩急はクセになり、甘いスイーツと辛いスナックを交互に一生食べ続けられるように、ずっと見ていたくなる。

前作がヤクザの組織vs殺し屋少女二人という構図だったので、今回はもしやもっと大きな組織が出現して争いがエスカレートするのか？と思ったが、そこは「観客を飽きさせない」ことを意識している阪元裕吾監督だ。作品規模としては異例のロングラン上映を成し遂げた前作から ２年弱、続編への期待のプレッシャーは想像に難くないが、安易な予想を裏切りつつ、まとまりの良い続編として完成させている。前回も各地の舞台挨拶で見せていた監督の素朴で誠実な姿を応援しに、できれば監督が劇場に登壇される回に足を運びたい。

fromNZ2.0@エヌゼット