ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンと3度目のタッグを組み、3つの奇想天外な物語を描く『憐れみの3章』がいよいよ劇場公開!
©2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
自分の人生を取り戻そうとする男、海難事故から生還した妻を恐れる警察官、教祖になる特別な人を探す女の3つの物語で構成される『憐れみの3章』が9月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『憐れみの3章』は、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー。選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、海難事故から生還したものの別人のようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、卓越した教祖になることが定められた特別な人物を必死で探す女が繰り広げる3つの奇想天外な物語を、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出す。
本作では、『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』に続いてヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組み、『哀れなるものたち』にも出演したウィレム・デフォーやマーガレット・クアリーのほか、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェシー・プレモンス、『ザ・ホエール』のホン・チャウ、『女王陛下のお気に入り』のジョー・アルウィンが共演。3つの物語の中で同じキャストがそれぞれ異なる役柄を演じる。『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』でもランティモス監督と組んだエフティミス・フィリップが共同脚本を担当。2024年の第77回カンヌ国際映画祭でプレモンスが男優賞を受賞した。
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映画『憐れみの3章』は、9月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマや心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のTOHOシネマズなんばやなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都や烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
ある特異な環境下で生きる者達が、その特異性に気づき変化していく姿を描く傾向が高いヨルゴス・ランティモス監督の作品。だが、『女王陛下のお気に入り』でエマ・ストーンが出演して以降、徐々に作風の幅が広がってきているように感じられる。脚本は、直近2作で携わっているトニー・マクナマラではなく、監督と同郷で初期から共同で執筆してきたエフティミス・フィリップと再び取り組んでおり、原点回帰であると共に進化していることにも気づかされた。今作では、『憐れみの3章』という邦題のごとく、3つの異なる物語が描かれていく。3つの全く違う物語の中で同じキャストがそれぞれ異なる役柄を演じているのが興味深く、物語同士のつながりを考えてしまうが、あくまで3つの独立したストーリーではある。だが、それぞれの作品を観ていると、いづれかのキャラクターには憐みのような感情を抱かずにはいられない。どうしてこうなってしまったんだろうか、と慈愛にも近い感情のようなものであった。だが、決して共感することは出来ない。だからこそ、本作独特のおもしろさがあることも忘れずに付け加えておく。なお、怪我で将来を絶たれたバスケットボール選手から映画の道を志し現在に至っているというヨルゴス・ランティモス監督。独特のキャリアではあるが、今後もどのようなベクトルを以て作品を手掛けていくのか。今世紀はずっと注目しておきたい映画監督の1人である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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