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異なる時代に生きる2人の女性の“夢と恐怖”がシンクロしていく『ラストナイト・イン・ソーホー』がいよいよ劇場公開!

2021年12月8日

(C)2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED

 

ファッションデザイナー志望の女学生が、1960年代のソーホーで歌手を目指す女性の夢を繰り返しみるうちに、現実でも不思議な体験をすることになる様を描く『ラストナイト・イン・ソーホー』が12月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』は、イギリス・ロンドンの歓楽街ソーホーを舞台にした一風変わったホラー。ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、寮生活になじめずアパートで一人暮らしを始める。ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。次第に身体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。さらに現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。

 

本作は、『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライトが監督を務め、エロイーズ役を『ジョジョ・ラビット』『オールド』のトーマシン・マッケンジー、サンディ役をNetflixの大ヒットシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』のアニヤ・テイラー=ジョイがそれぞれ演じる。

 

(C)2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED

 

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』は、12月10日(金)より全国の劇場で公開。

ソーホーと聞くと、Small Office/Home Officeの頭文字を取った言葉で、小さなオフィスや自宅で、受託した委託業務を行う働き方のことだと思うかもしれない。本作が表すのは、イギリス・ロンドンのシティ・オブ・ウェストミンスターにある一地区のことであり、1960年代頃では、性風俗店や映画産業施設が並ぶ歓楽街として栄えていた。高級ブティックが並んだ道を90度曲がれば歓楽街がある、という独特の場所である。1980年代初頭以降は高級レストランやメディア関連企業が立ち並ぶファッション街へと大きく変貌していった。現代を生きる主人公のエロイーズは、夢の中で、まさにスウィンギング・ロンドン真っ盛りの1965年のソーホーに迷い込む。1974年生まれのエドガー・ライト監督が、かつては世界の文化的中心地であったロンドンに対して敬意を表した上で、存分にソーホーを描いているのは興味深い。

 

エドガー・ライト監督といえば、『ショーン・オブ・ザ・デッド』に始まり『ベイビー・ドライバー』に至るまで、低予算の小規模な作品をメインとしており、ハリウッド大作などを監督していない。コメディ映画を得意とし、音楽とシンクロした演出を用いるのが特徴である。本作では、オープニングシーンから当時の楽曲を幅広く大胆に使っている。だが、今作のジャンルは多岐に渡っている。ホラー映画でありながら、ミュージカル映画であり、タイムトラベル要素があるファンタジーなSF映画でもあり、青春映画でもある。どの方向にストーリーが展開していくのか読み込めず混乱してしまう時もあった。もはや、ジャンル自体を本作は必要としていないのかもしれない。でも、最終的に恐ろしい出来事に発覚してしまうので、サスペンス要素も十分にある。エドガー・ライト監督なりの1960年代への愛情がたっぷりと込められた本作、当時の空気感が存分に流れているので、是非とも音響がしっかりしたシアターで体感してほしい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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