楽しく観られる痛快エンターテイメントは一作だけでは終わらせたくない…『ねばきば新世界』舞台挨拶開催！
かつて大阪新世界でヤクザの組を潰しまわっていた男ふたりが、宗教団体に洗脳された恩師の娘を救うべく、義理と人情だけで再び立ち上がる姿を描く『ねばぎば 新世界』が７月１６日（金）より関西の劇場でも公開中。７月１７日（土）には、大阪・難波のなんばパークスシネマで出演者による舞台挨拶が開催された。
映画『ねばぎば 新世界』は、俳優兼脚本家兼監督として活躍する『ひとくず』の上西雄大さんが、大阪の西成を舞台に描いたアクションドラマ。上西がメガホンをとったほか、赤井英和とともに主演を務めた。大阪新世界。かつてヤクザの組を潰しまわっていた村上勝太郎（通称 勝吉）は、ボクシングジムを営んでいたが、ジムで練習生が覚醒剤取引をして逮捕されたことからジムを畳み、幼なじみの経営する串カツ店で働いていた。ある日、新世界を逃げる少年の徳永武に出会い、勝吉は声をかけるが武は逃げてしまう。また別の日、刑務所の慰問に誘われた勝吉は、かつてともにヤクザを潰してまわった弟分の神木雄司（通称 コオロギ）と再会。その後、釈放されたコオロギは勝吉とともに串カツ屋で働き始める。そして、武が悪徳宗教団体に捕まっていることを知った勝吉は、コオロギとともに悪徳宗教団体へ乗り込んでいくが、そこで２人の前に立ちはだかる女幹部のチャマリは、かつて勝吉をボクシングの道へ導いた元チャンプの娘である琴音だった。
上映後、赤井英和さん、上西雄大さん、上山勝也さん、草刈健太郎さん、徳竹未夏さん、古川藍さんが登壇。ようやく関西の劇場で公開を万感の想いを語っていった。
あさイチの上映回に集まったお客さんを眺めながら、赤井さんは「１回目から沢山のお客さんに来て頂きまして感謝申し上げます」と感謝。上西さんも感謝の気持ちを伝えながら「関西人にとって赤井さんというのは特別な存在。僕は様々な思いが湧いてきます。赤井さんと一緒にバディになって映画に出られて、沢山の方々に観て頂けた。身が震える程に感動しております」と正直な気持ちを伝えていく。上山さんは「私は俳優ではごさいませんので、壇上で喋るのはおかしいんじゃないかなと思います。今作を作らせて頂いた新世界の街で私共が商売をさせて頂いております」と謙遜しながら「赤井さんとは高校生の時に出会っております。今年で４５年ずっとお付き合いさせて頂いております。『こんな状況でおもろいこと出来へんか』という発想から映画が出来て、私は感動しております。話題は素人なので、出演していますけども、流行ってくれたらえぇな」と願っている。上山さんの姿を見ながら草刈さんは「上山さん、役者ですよ。素人とは違いますよ」と称え、同じように素人であることを打ち明け「長いバージョンでは私の台詞があるんですけども、全部削られて寂しくも安心しました」と云いながらも「西成の人のつながりを奇麗に描いている。私達が忘れがちな本当の義理と人情、弱きを助け強きを挫く任侠道を思い出させて頂くような素晴らしい映画です」と絶賛した。
台本を受け取った当時を振り返り、赤井さんは「ドキが胸々しましたね」とギャグをかましながら「昭和の名作『悪名』を観ているような感じになりました。この後、新世界に戻って二人が何をしでかすか期待が持てました」と話す。撮影現場についても「和気藹々とした楽しい現場でした」と気に入っていた。失読症をかかえた”コオロギ”を演じた上西さんは「コオロギは、僕の舞台作品。貧しくて学校に行けなかった男が字の読み書きが出来ないまま大人になってヤクザになってしまう。そこからこのキャラクターを赤井さんと喋らせたいな」と着想しており「コオロギは１人ではちゃんと生きていけない、真っ直ぐに道を踏み外してしまうので、勝吉の傍でこそ力を発揮出来る。真っ直ぐに前を向いて悪と戦える。勝吉の傍にいると誰よりも力を発揮出来る。僕はコオロギに託したかった」と思いを込めている。
新世界を舞台に赤井英和さんが主演ということもあり、本作には豪華キャストが出演となった。上西さんは「赤井さんが真ん中におられる作品なので、とにかく豪華にしたかった」と打ち明け「皆さんにお声がけしたら、赤井さんということで直ぐに応じて頂いた。キャスティングは何も困らなかった。まだ増えそうだったので、収拾がつかなかった」と告白。とはいえ「続編が出来るなら、また豪華キャストで」と期待を伺わせた。撮影現場に関しては上山さんは「プロの役者を目の前にして緊張して不安がありました」と漏らしながらも「撮影の時には赤井さんがいつもいました。演技指導を頂きながら撮影しましたので、自分なりにこれ以上のことは出来ないが、上手いこと出来たんちゃうかな」と手応えを感じている。上西さんは「お好み焼き屋でのシーンは、お二人が培ってきた友情は本物なので、なんとか映画に取り入れられたら凄い力になるな」と確信。草刈さんは「赤井さんとは呑んでいる時にしか話さない。撮影になったら目の色がパッと変わるんです。やっぱりプロやなぁ」と実感させられた。
最後に、赤井さんは「この映画をまた観てみたら新しい発見があると思いますので、ぜひとも劇場に来て御覧頂けたら」とお願いしていく。上西さんは「僕にとっては生まれてきて最高の宝物に感じております。赤井さんと並んでいるポスターを見る度に感慨深いものがあります。この作品を一作で終わらせたくない。皆さん、続編を観たいと思いませんか」とお客さん達に伺うと、拍手を受け「僕は昭和な作品にしたかった。畳のあるお茶の間でブラウン管テレビを通して観た作品のように感じて頂きたい。楽しく観られる痛快エンターテイメントです」と伝え、舞台挨拶を締め括った。
映画『ねばぎば 新世界』は、大阪・難波のなんばパークスシネマや大阪・十三の第七藝術劇場、堺のＭＯＶＩＸ堺や京都・九条の京都みなみ会館で公開中。また、８月７日（土）より神戸・元町の元町映画館で公開。
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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