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水墨画を描くシーンは一発勝負、緊張感が凄かった…『線は、僕を描く』横浜流星さんと清原果耶さんと小泉徳宏監督を迎え公開記念舞台挨拶開催!

2022年10月24日

アルバイト先で水墨画に出会った大学生が、声をかけられた師匠に師事し、戸惑いながらも白と黒で表現された世界に魅了されていく様を描く『線は、僕を描く』が全国の劇場で公開中。10月24日(金)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に横浜流星さんと清原果耶さんと小泉徳宏監督を迎え、公開記念舞台挨拶が開催された。

 

映画『線は、僕を描く』は、水墨画の世界を題材にした砥上裕將さんの青春小説「線は、僕を描く」を、横浜流星さんが主演、『ちはやふる』の小泉徳宏監督のメガホンで映画化された。大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で水墨画と運命的な出会いを果たす。白と黒のみで表現された水墨画は霜介の前に色鮮やかに広がり、家族を不慮の事故で失ったことで深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変する。巨匠の篠田湖山に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。篠田湖山の孫で霜介にライバル心を抱く篠田千瑛を『護られなかった者たちへ』の清原果耶さん、霜介の親友である古前を『町田くんの世界』の細田佳央太さん、霜介に触発されて古前と共に水墨画サークルを立ち上げる川岸を『サマーフィルムにのって』の河合優実さんが演じ、三浦友和さん、江口洋介さん、富田靖子さんらが脇を固める。

 

上映後、横浜流星さんと清原果耶さんと小泉徳宏監督が登壇。映画の余韻に浸りながらの水墨画や関西ロケについて伝わってくる舞台挨拶となった。

 

鑑賞後のお客さんに向けて、横浜さんは「皆さんそれぞれ受け取り方が違うと思うので、今思っていることを大事にしてほしいな」とメッセージ。撮影について「最初の湖山先生の揮毫会のシーンは印象に残っていますね。凄く良いロケーションで三浦さんの水墨画の筆さばきを目にして、心を掴まれました」と振り返り、本作を観て「編集の力で、更にスケールアップされて印象に残っているシーン」と挙げた。清原さんは本作を観終えた時「明日から、もうちょっと頑張れるかも。精一杯頑張って生きていこう、という気持ちになれたので、ポジティブな明るい気持ちを皆様に持って帰って頂けたら」と願っている。印象に残っているシーンとして、霜介が湖山先生にお弁当をもらうシーンを挙げ「『おじいちゃん、優しいな』という気持ちと、『霜介がもりもり食べていて良かったな』とホッコリあったかくなれる。人の優しさが日常に描かれているシーン」とお気に入り。小泉監督は「優しい気持ちになって帰ってもらえたら」と願っている。「西濱さんと霜介が地元の食べ物をもらいに行くところ」とシーンを挙げ、力の抜け具合が印象的だった。訪れたのは滋賀県の農家さんで実際に出演頂いており、割ったスイカに鶏が群がるシーンはロケハンによって作られたことだと明かしていく。「ちはやふる」シリーズに続き4作目の滋賀県ロケとなり、滋賀県に対して「何にも染まっていない少年のような感じ」と表現し「特定のイメージに固定されていない。日本のどこにでもなれる。何にでもなれるのが霜介っぽい」と当てはめた。監督にとっては、撮影する立場としては重宝する場所となっている。

 

関西について、横浜さんは「撮影中はご飯を食べに行く以外は堪能できていなかったので、いずれ…」とまたの機会を楽しみにしていた。なお、撮影中は近江牛を食べる機会もあり、貴重な時間を楽しんだようだ。大阪出身の清原さんは、横浜さんから気持ちが高まる場所をリクエストされ、戸惑いながらも、通天閣を挙げていく。撮影場所の近くに琵琶湖があり、自転車好きの小泉監督は「折り畳み自転車を持っていき、乗っていました。琵琶湖一周には全然届かず。いつか一周してみたいな」と願っていた。

 

ここで、お客さんからの質問コーナーへ。印象的なNGシーンについて聞かれ、小泉監督は「水墨画を描くシーンは一発勝負。NG出せない」と説く。清原さんも「(NG)出したらいけない緊張感が凄かった。これ出したら自分のせいだ」緊張が続いていた。続いて、水墨画に対するイメージの変化について聞かれ、横浜さんは「最初は、遠いものだと思っていた。どうやってこういう風に描かれているんだろう。知識が何一つ無いので、難しいだろうな。自分に書けるのかな」という第一印象だったが「実際にやってみると、凄く楽しかった。勿論難しいですけど、その時の線や感情が出るし、失敗もないですし、自由に描ける。自由に描ける分、また一つの壁にぶち当たる。凄く奥深い。指導して下さった小林東雲先生までになると『画を観るとその人が分かる』と聞いて、凄く魅力的で奥深い。自分と向き合うことも出来て、水墨画が大好きになりました」と現在は大いに気に入っている。清原さんは、以前から水墨画について存じていたが、本作を通じて初めて描くことになり「私に出来るの?練習期間を設けてもらえるとはいえ、私の役は初めから水墨画が上手くないといけない役だったので、大丈夫かな」と当初は不安だった。練習をしていくうちに「東雲先生が『間違いとかNGとかないんだよ』とずっと私に声をかけてくれていた。失敗とかも無いんだな、思えて、凄く気が楽になって水墨画に楽しく向き合えたので、出会った良かった日本文化だな」と受けとめている。

 

最後に、横浜さんから「舞台挨拶で観終わった後の皆さんの顔を見れて嬉しく思います。熱い感想を下さるのは、本当に幸せで嬉しいです。この作品がもっともっと多くの方に届いてほしい」と願いながら「本当に、今日は、おおきに」と関西弁で舞台挨拶を締め括った。

 

映画『線は、僕を描く』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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