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性暴力を受けた過去と向き合う『ブルーイマジン』が第19回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門でアジア初上映!

2024年3月3日

©Blue Imagine Film Partners

 

巣鴨を舞台に、心に傷を負った女性たちが集まるシェアハウス、ブルーイマジンでの交流を通して、それぞれが過去のトラウマと向き合う『ブルーイマジン』が第19回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門でアジア初上映された。

 

映画『ブルーイマジン』は、性暴力やDVの被害者を救済するシェアハウスを舞台に、心に深い傷を抱える女性たちの信念と連帯と葛藤を描いた群像劇。俳優を目指す斉藤乃愛(のえる)は、かつて映画監督から性暴力を受けた経験があり、そのトラウマを誰にも話せずにいた。乃愛は性暴力やDV、ハラスメント被害を受けた女性たちを救うためのシェアハウス「ブルーイマジン」に入居する。ブルーイマジンは住人たち全員が心の痛みを知っている場所で、乃愛はそこに集まってくる個性豊かな人たちとの交流を通して、自分の心の傷と初めて向き合えるように。やがて彼女はブルーイマジンの住人たちとの連帯を深め、勇気を振り絞って“声をあげるための行動”を起こすことを決意する。

 

本作は、『飢えたライオン』等で知られる俳優の松林麗さんが長編初メガホンをとり、『樹海村』の山口まゆさんが乃愛役で主演を務め、『沈黙のパレード』の川床明日香さん、『ビリーバーズ』の北村優衣さん、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の新谷ゆづみさんが共演した。

 

©Blue Imagine Film Partners

 

映画『ブルーイマジン』は、関西では2024年に大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開予定。

まさに今も議論になっている話題について真正面から直球勝負を挑んだ本作。登場する人物の姿や振る舞いからは、実在の人物を想起してしまった。同時に、嘗て或る上映イベントの打ち上げで、大御所映画監督によるセクハラを見せつけられ抵抗しても最後まで抵抗し倒せなかった経験を思い出して悔やみきれない気持ちに至ってしまう。今となってどうすること出来ないものか。対応してくれそうな団体の方に相談しても、まともには扱ってくれなかった。メディアの窓口に訴えても、メディア側の都合が入り、期待通りに報道してくれるのか不安でもある。だからこそ、本作のような映画を通して社会に伝えていくことの重大さがあるのではないか。1人で声を挙げても大きな力によって潰されることがある。だが、同じような経験をした方が他にもいるのであれば、結束して立ち向かうことが出来るのだ。本作のクライマックスでは、連帯すれば、第三者である周囲の人々をも動かすことが出来るんだ、と感じられた。フィクションの力が現実を動かす力になることを願ってやまない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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