遅咲きの女性に突然訪れた転機によって自尊心を形成していく姿を描く『ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー』が第19回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!
©ALVA FILM & TAKES FILM
48歳の独身女性に突如訪れた人生の転機によって、偏見に怖じない自尊心を抱かせていく姿を描く『ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー』が第19回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。
自由を愛し独身を貫く48歳の女性は、村人たちの蔑視を感じつつもストイックに生きてきたが…。人生の後半戦を前に、遅咲きの女性に突然訪れた転機と新しい人生を踏み出す葛藤をオフビートに描く。
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映画『ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー』は、3月9日(土)16:00よりABCホールでも上映。
冒頭、突如として臨死体験のような不思議な出来事があり、主人公の心境には何らかの変化があったようだ。営んでいる家庭用品店の仕入先である男性を誘惑してしまう。そこから徐々に自己主張をしていくようになり、たとえ48歳の独身女性であっても、遅咲きと呼ばれるような存在になったとしても、アイデンティティや自尊心を形成していくことができるようになるのは興味深い。作中では、どちらかといえばオフビート調に出来事が描かれており、観る者によっては様々な感情を抱かせそうだが、これもユーモラスな描き方の1つといえようか。とはいえ、48歳にもなれば、様々に抱えるものが出てきてしまうのはあきらかだ。それが故にラストに至るまでの描き方にはどことなく感慨深げになってしまうのは禁じ得ない。冒頭からクライマックスに至るまで、何らかの不安を抱かせるような物語の構成ではあるが、時にユーモラスに描きながらも共感できるようなストーリーテリングがあり、じわじわと情感に伝わってくる作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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