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いつも他の人に思いやりを持つ心を感じて頂けたら…『Firebird ファイアバード』ペーテル・レバネ監督とトム・プライヤーとオレグ・ザゴロドニーを迎え舞台挨拶開催!

2024年2月10日

1970年代のエストニアを舞台に、役者を夢見る二等兵とパイロット将校の禁じられた恋を描く『Firebird ファイアバード』が2月9日(金)より全国の劇場で公開中。2月10日(土)には、大阪・難波のなんばパークスシネマにペーテル・レバネ監督とトム・プライヤーとオレグ・ザゴロドニーを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『Firebird ファイアバード』は、冷戦時代のソ連占領下のエストニアを舞台に、2人の青年の秘められた愛を実話に基づいて描いたラブストーリー。1970年代後半、ソ連占領下のエストニア。役者を夢見る若き二等兵セルゲイは、間も無く兵役を終えようとしていた。ある日、セルゲイと同じ基地にパイロット将校のロマンが配属される。写真という共通の趣味を持つ2人はすぐにひかれ合い恋に落ちるが、当時のソ連では同性愛は法的に固く禁じられており、発覚すれば厳しく処罰されていた。一方、同僚の女性将校ルイーザもロマンに恋心を抱いていた。そんな中、セルゲイとロマンの関係を疑うクズネツォフ大佐は、2人の身辺調査に乗り出す。ロシアの無名の俳優セルゲイ・フェティソフによる回顧録「ロマンについての物語」をもとに、ペット・ショップ・ボーイズ「Together」などのMV監督として知られるエストニア出身のペーテル・レバネ監督が映画化。セルゲイ本人とレバネ監督、劇中でセルゲイを演じるイギリスの俳優トム・プライアーが共同で脚本を手がけた。

 

上映後、ペーテル・レバネ監督とトム・プライヤーとオレグ・ザゴロドニーが登壇。作品に懸ける思いが伝わってくる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

2011年、ペーテル・レバネ監督は、ベルリン国際映画祭でセルゲイ・フェティソフの自叙伝を本人から渡され読んでみた。そのストーリーに泣き「シンプルではあるけれども、強いラブストーリーでありユニークだった。バックグラウンドには、旧ソ連の空軍があった」と強い思い入れを感じてしまう。空軍については「個人の選択は無視されてしまう。そこでは悲劇が生まれてしまう状況でした」と解説する。この映画化について、トム・プライヤーは「スクリプト(台本)を渡され、最初は驚いた。様々な要素がミックスされたストーリーだった。軍隊の中で美しいラブストーリーが展開される。そのラブストーリーもかなりユニーク」と感銘を受けた。本作へのオファーについて、オレグ・ザゴロドニーは「モスクワのホテルに呼ばれ、ディレクターやキャスティング・ディレクターと会った。最初に台詞を読んだけども、当時は英語が得意ではなかったので、練習の際には台詞を忘れることもあった。ウクライナやロシアの中で移動しながら話し合いを続けてきた」と明かす。不得手な英語については「徐々に上達しているんじゃないかな。最初は大変だったけど、毎日英語を練習していた。2018年9月当時より上達したんじゃないかな」と謙遜。相対したトム・プライヤーは「僕は全くロシア語話せないので」と和ませた。

 

 

ウクライナのキーウ出身でモデルでもあったオレグ・ザゴロドニーは、ウクライナ侵攻の初期に失職した知り合いのお針子を助けるつもりで軍服のデザインを手掛け製品にして、私財を投じて最前線にいる兵士たちに贈る活動を行っている。「良い機会に恵まれた」と感じており「私を知る者が欧米にいる。私はウクライナの情勢をシェアしており、そのリアクションとして、何か支援が出来ないかオファーがあった。そこで、軍服を作って最前線で働く兵士に送る活動を始めた。最前線で働く兵士は私にとってはヒーローであります」と讃えた。

 

タイトルについて、ペーテル・レバネ監督は「セルゲイの自伝を受け取った時、『ロマンについての物語』というタイトルが記されていた。最初は『ローマ』にしようと思ったけど、それでは古代ローマのイメージが強く、別タイトルを考えよう」と検討。ストラヴィンスキーの「ファイアバード」という音楽には強烈なイメージがあると共に、美しい音を兼ね備えており「映画のキャラクターを考えると、自然に『Firebird』が良いのではないか」という考えに至った。作中には、バレエを観るシーンがあり「セルゲイの人生に繋がり、自然とこのタイトルになりました」と述べる。トム・プライヤーは実際にセルゲイに会っており「私とペーテルはセルゲイに会うためロシアに足を運びました。彼の生き方や振る舞いを実際に目にすることになりました。セルゲイは明るく温かでポジティブな方でした。そこで、どのように脚本を書き、セルゲイを演じるか決めていきました」と振り返り、話していく中で「かなり抑圧された社会の中で、彼がポジティブに勇気を持って生きてきた」と感じていく。

 

 

2024年1月、エストニアで同性婚法が施行された。ペーテル・レバネ監督は「映画は人々の人生に強い影響を与える力を持っているメディアだと信じています。多少なりとも影響があったのではないか」と推察。同性婚法については、2010年から議論が始まっており、議員や弁護士や映画のスタッフらがロビー活動を始めており、TV出演でのディベートも行ってきた。「私達は、同性婚がどういったものであるか、といった説明を人々に根気よく続けてきた。そこで人々が理解しながら、様々な苦しみと喜びを持ち合わせた人々もいた。基本的には、男女が同じ問題を抱えている。人々の理解を得ることで差別を少なくすることにも繋がってきた」と実感しており、実際に同性婚法が成立したことには驚いている。

 

 

最後に、オレグ・ザゴロドニーは「映画を好きになって頂けたら」とメッセージ。トム・プライヤーは「映画が皆様の心に深く問いかけるものになれば」と願っている。ペーテル・レバネ監督は「出来るだけ多くの人に、友達にもシェアして頂けたら。このストーリーは美しく、長いものでしたが、その中には様々なものが盛り込まれていました。母親との関係性等、描けなかったものがありました。でも、この映画を観て、いつも他の人に思いやりを持つ心を感じて頂けたら」と思いを託し、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『Firebird ファイアバード』は、2月9日(金)より全国の劇場で公開中。関西では、大阪・難波のなんばパークスシネマや京都・三条のMOVIX京都や神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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