ソープ嬢がおばあちゃんの介護をすることに…『うぉっしゅ』が第19回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映!
洗うことが共通する二つの仕事をめぐる女性の葛藤と交流を描く『うぉっしゅ』が第19回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映された。
映画『うぉっしゅ』…
ソープ嬢の加那が祖母の介護をすることになる。人の身体を“洗い”続ける一週間の二重生活〈ダブルワーク〉。認知症の祖母からも、お店のお客さんからも“忘れられる”加那は、次第に自分の生き方を見つけていく…
中尾有伽さんと研ナオコさんがW主演。8年ぶりの映画主演となる研ナオコさんが認知症の祖母役を好演している。
映画『うぉっしゅ』は、3月7日(木)10:10よりシネ・リーブル梅田でも上映。
長年コンスタントに映画に出演し続けてきた研ナオコさん。直近では『PERFECT DAYS』に 野良猫と遊ぶ女性として出演していた。おばあちゃん役が板についているが、今作では、認知症が進み介護が必要なおばあちゃん。孫と久しぶりに会っても、分かっているのか分かっていないのか定かではない。孫にとっては久しぶりの再会が嬉しいが、その姿にはショックしかない。とはいえ、自らの仕事であるソープ嬢の経験を活かすと共に、残されたメモとインターネット上に公開されている介護スキルを基にして、不慣れながらも介護に励んでいく…と書くと、大変な仕事に従事している人々を描いた社会派ドラマのように感じられるかもしれない。だが、本作は、苦労だけを描くのではなく、相手を喜ばせるためには自らが楽しもうとする姿を実直に描いているので好感が持てる。現実は映画が描かれている以上に過酷だろう。だが、映画だからこそポップに描くことで理解を深めていくためのきっかけとなるだろうか。”身体を洗う”ことで、誰かのココロが洗われていくことに繋がるのであれば、本作が制作された意義があるのではないか、と受けとめたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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