2人のピアニストの運命が交錯する一晩を描く『白鍵と黒鍵の間に』がいよいよ劇場公開!
©2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
ジャズピアニストを目指して、夜の銀座でピアノを弾いていた男が、ある曲をリクエストされたことをきっかけに災いに巻きこまれる『白鍵と黒鍵の間に』が10月6日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『白鍵と黒鍵の間に』は、昭和末期の銀座を舞台に2人のジャズピアニストの運命が交錯し大きく狂い出す一夜を描いたドラマ。昭和63年。銀座のキャバレーでピアノを弾いていたジャズピアニスト志望の博は、謎の男からのリクエストで“あの曲”こと「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏する。しかし“あの曲”をリクエストできるのは銀座を牛耳るヤクザの親分・熊野会長だけで、演奏を許されているのも会長お気に入りのピアニスト・南だけだった。未来に夢を見る博と、夢を見失ってしまった南の運命は絡みあい、多くの人々を巻き込みながら事態は思わぬ方向へと転がっていく。
本作は、『素敵なダイナマイトスキャンダル』の冨永昌敬監督が、ミュージシャンである南博さんの回想録「白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編」を大胆にアレンジして映画化した。池松壮亮さんが1人2役で主演を務め、仲里依紗さん、森田剛さん、高橋和也さん、クリスタル・ケイさん、松尾貴史さんら個性豊かな顔ぶれが共演している。
©2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
映画『白鍵と黒鍵の間に』は、10月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
南博さんの回想録「白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編」は、真面目なクラシックピアノ志望の青年が或る日ふと聴いたジャズに魅せられ、人生が一変、様々な場所で腕を磨くと共に多種多様な人々に出会い、大きな夢に向かっていく…という話なのだが、本作では、冨永昌敬監督が見事な手法で大胆にアレンジしている。南と博という2つの人物を池松壮亮さんが演じており、この2人の関係性は一体どういうことなんだ!?と考えながら、夢中で観てしまった。原作に準えると、南博さんの最初と最後を描いているようにも思えるが、同じ世界線にいるような気がするけれども、ひょっとしたら違うかもしれない…と様々な視点で観てしまう。不思議なストーリーを追いかけると共に、奏でられる楽曲はしっかりと聞き惚れていたい。出来れば、音響環境に優れたシアターで鑑賞した方が良いだろう。公開劇場では既に何度も予告編が流されているが、通常のシアターと音響の良いシアターでは、低音の響きが全く違うように感じられた。これが映画本編になると、実に豊かな音楽映画体験になることだろう。劇場によっては追加料金が発生するようだが、機会があれば是非とも充実した鑑賞体験をしてほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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