沖縄県知事選や、争点となった基地問題を取材する『シン・ちむどんどん』がいよいよ劇場公開!
©「シン・ちむどんどん」製作委員会
日本列島の中でも選挙熱が高い沖縄で、本土復帰50年の節目となった2022年9月に行われた沖縄県知事選挙を、ラッパーのダースレイダーさんと時事芸人のプチ鹿島さんが忖度なしの突撃取材を行う『シン・ちむどんどん』が8月19日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『シン・ちむどんどん』は、ラッパーのダースレイダーさんと時事芸人のプチ鹿島さんが選挙戦を突撃取材した『劇場版 センキョナンデス』のシリーズ第2弾で、本土復帰50年の節目となった2022年9月の沖縄県知事選と、その争点となった基地問題に切り込んだドキュメンタリー。プチ鹿島さんは当時放送中だったNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」を推す候補者たちにさまざまな質問を投げかけ、その人物像を浮き彫りにしていく。一方、ダースレイダーさんはSNS上に溢れる県知事選についてのデマを問題視し、候補者を直撃。そして2人は基地問題について話を聞くため、座り込み抗議が約3000日にわたって続く辺野古の現場へと足を運ぶ。前作に続き、『なぜ君は総理大臣になれないのか』等のドキュメンタリー監督である大島新さんがプロデュースを手がけた。
©「シン・ちむどんどん」製作委員会
映画『シン・ちむどんどん』が8月19日(土)より全国の劇場で公開。関西では、京都・九条の京都みなみ会館で公開。
沖縄の中でも最も熱い”まつりごと”でもある沖縄県知事選挙。昨年の選挙では、現職の玉城デニー氏が勝利するであろう、と県外からは捉えていたが、SNS上では、未だに陰謀論が蠢いていて釈然としなかった。そんな状況下、真正面から各候補者に対峙していくダースレイダーさんとプチ鹿島さんは頼もしい。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に対する受けとめ方についても三者三様で、物事への取り組み方を露骨に表現していた。本当に観ているのか疑わしい方、観ていないことすら堂々と話す方、リアリティある作品として関心を持って観ている方、3人だけでも反応が全く違っている。では、本来の選挙戦に視点を戻してみると、関係者に合意を得ずに宣言している方、宣言しているだけで中身が全く伴っていない方、短い時間の中で具体的に話し説得力のある方、とハッキリと分かり、誰が当選するのか明らかであり、有権者が真剣に考えていることが結果に反映されていた。なお、本作は選挙戦だけのドキュメンタリー作品ではない。「基地問題」の現場である辺野古にも訪れている。SNSで一方的に揶揄するのが良しとされないのは明らかであり、真摯に現場の方から話を聞く共に、彼らなりのエールを送る姿が映し出されていた。未だに沖縄で起こっていることに対して”ちむどんどん”(本作では、心をざわつかせる、の意味が妥当だろうか)してほしい思いがたっぷりと込められた作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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