実在した有名な2人の女性の逸話によるサスペンス『姉姉妹妹2』が第１８回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映！

2023年3月12日

実在した有名な２人の女性の逸話によるサスペンス『姉姉妹妹2』が第１８回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映された。

映画『姉姉妹妹2』…

舞台は１９３０年代、コーチシナのサイゴン（現在のホーチミン市）。娼婦トゥ・ニーは路地で高級車に泥を引っ掛けられる。その車の主はサイゴン第一の美人と謳われたバ・チャだった。彼女は人々の憧れ、伝統あるアオザイ仕立て屋の始祖だ。ニーは惨めな娼婦生活から抜け出すために、バ・チャに近づくが…

今作は、シリーズ前作『姉姉妹妹』と同様に、女性二人が主人公だが、ストーリー上のつながりはない。監督も前作と異なり、男性のヴー・ゴック・ダンが務めた。アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された『美脚の娘たち』、ベトナム初の本格的ゲイ映画シリーズ『Lost in Paradise（英題）』、最近までベトナム映画歴代興収第１位だった『Dad, I’m Sorry（英題）』の共同監督も担い、実力派の巨匠。ニー役のミン・ハンは歌手としても有名で、出演作『Naked Truth（英題）』もコロナ禍で大健闘。バ・チャ役のゴック・チンはミス・ベトナム2011で、彼女の半生は自ら主演で、ダン監督が『Queen of the Bikini（英題）』で映画化している。

映画『姉姉妹妹2』は、３月１５日（水）１８：００よりシネ・リーブル梅田でも上映。

いつの時代も女性同士の駆け引きは止まらない。絶世の美女が存在したなら、高貴な男性が集まり、多くの女性から羨望の眼差しが向けられる。だが、そのポジションと同じ位置に並びたい、或いは奪いたいならば、用意周到な段取りが組まれていく。惨めな人生を過ごすことになってしまう娼婦の女性が、国随一の美人と出会ったならば、あらゆる手段を用いて彼女に近づき、どのような屈辱を受けたとしても、必死に喰らいついていった。この根性たるや、他のことに活かせそうな気がしないでもない。だが、当時において、国王の妃として選ばれる可能性があるならば、仕方がないか。とはいえ、惨めな環境にいたことで身についてしまった性分は容易には拭うことは出来ない。最後まで観終えると、いつの時代も儚き出来事でしかなく、分相応に生きることが良いのだろうか、とすら考えてしまう。女性の駆け引きによるサスペンス映画として大いに楽しめた。

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