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極限の状況下で生き残りを賭け、善悪の境界線が揺らぐ!『人間の時間』が全国の劇場でいよいよ公開!

2020年3月18日

(C)2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

 

クルーズ旅行へと出航した元軍艦の船上を舞台に、窮地に置かれた人間たちが巻き起こす蛮行を鋭く描き出す『人間の時間』が、3月20日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『人間の時間』は、旅行客を乗せ航海していたかつて軍艦だった船が、やがて異次元にたどり着いたことから展開するハードファンタジー。恋人とともに旅行を楽しむ女性、有名な議員とその息子、そして謎の老人と、さまざまな人びとを乗せ、船は出航する。かつては軍艦でありながら退役後はクルーズ船となったその船が大海原へと出た頃、開放的になった乗客たちは酒、ドラック、セックスと、さまざまな顔を見せていった。狂乱の後、疲れ果てて眠りについた彼らが目を覚ますと、船は霧に包まれた未知の空間に突入していた。何が起こったのか理解できない現実を前に呆然とする人びと。やがて乗客たちは生き残りをかけた悲劇的な事件を次々と起こしていく。

 

本作では、『嘆きのピエタ』『メビウス』などで知られる韓国の鬼才キム・ギドク監督の最新作。主人公イヴ役を藤井美菜、アダム役をチャン・グンソク、イヴの彼氏役をオダギリジョーが演じるほか、アン・ソンギ、イ・ソンジェらが顔をそろえる。

 

(C)2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

 

映画『人間の時間』は、3月20日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で公開。また、京都・九条の京都みなみ会館、神戸・元町の元町映画館で近日公開予定。

宗教的な寓話を思わせる内容が多いキム・ギドク監督作品。最新作はいつも以上に何かを示唆するような意味深な内容である。

 

持てる者と持たざる者との間の絶望的な隔たりの中、権力と暴力に蹂躙されていく人々の地獄絵図。善人とチンピラ、モノのように奪われ性欲の捌け口にされる女性、そして記号として消費されていくその他大勢の登場人物たち。どこか棒読みで朗読しているような淡々としたセリフで語られる世界は、黙示録の再現なのか、それとも異説のノアの箱舟の物語なのか。

 

ギドク監督ではお馴染みのドぎつい描写を今回も立て続けに見せられる。レイプ、殺人、さらに人肉食…ギドク作品は生理的に受け付けない、という観客も多い一方、熱狂的なファンが多いのも確かだ。明らかに日常の現実を描いた話ではないので、この映画から何を受け止め、何を思うかが観客ごとに異なるだろうところが興味深い。手塚治虫「火の鳥」のあるエピソードを思い出した…

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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