直木賞受賞の天才作家が書いた新作小説は本当にフィクションなのか!?編集者が徹底検証!『鳩の撃退法』がいよいよ劇場公開!
(C)2021「鳩の撃退法」製作委員会 (C)佐藤正午/小学館
天才作家が書いた小説に隠された衝撃の真実とその小説に翻弄される編集者の姿を描く『鳩の撃退法』が8月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『鳩の撃退法』は、天才作家がある出来事をもとに書いた新作が本当にフィクションなのか、担当編集者が検証するさまを描いた物語。都内のバー。かつて直木賞を受賞した天才小説家・津田伸一は、担当編集者の鳥飼なほみに執筆中の新作小説を読ませていた。その内容に心を踊らせる鳥飼だったが、津田の話を聞けば聞くほど小説の中だけの話とは思えない。この小説が本当にフィクションなのか検証を始めた鳥飼は、やがて驚きの真実にたどり着く。
本作は、直木賞作家である佐藤正午さんのベストセラーを藤原竜也さん主演で映画化。謎めいた小説家の津田を藤原さん、津田に翻弄される担当編集者の鳥飼を土屋太鳳さん、津田とコーヒーショップで出会った日に失踪したバーのマスターである幸地秀吉を風間俊介さん、津田の行きつけのコーヒーショップ店員の沼本を西野七瀬さん、彼らが暮らす街の裏社会を仕切る倉田健次郎を豊川悦司さんが演じる。監督は「ホテル ビーナス」のタカハタ秀太さんが務めた。
(C)2021「鳩の撃退法」製作委員会 (C)佐藤正午/小学館
映画『鳩の撃退法』は、8月27日(金)より全国の劇場で公開。
エンターテイナーを演じると右に出る者がいないと云っても過言ではない藤原竜也さん。彼の演技力が、津田伸一という謎めいた男を、より魅力的で、よりミステリアスに、形作ってくれている。津田伸一から語られる虚構と現実の狭間で揺れ動く物語は、観客である我々も真実を確かめる術がない。津田伸一の語る物語に、我々と同じく耳を傾けるのが、土屋太鳳さん演じる鳥飼なほみだ。鳥飼は、津田の創る物語に生じる齟齬を鋭く指摘していき、鑑賞者にとっては補助輪のような存在。物語の整理には鳥飼のような役所は必要不可欠であり、第三者の視点があるというのは、本作のような謎解き映画では大変助かる。
作品全体を通して所謂「眉唾物」であり、故に本作に訪れる結末を決めるのは、作者でもなく、津田でもなく、我々自身の想像力であるのかもしれない。鑑賞する人によって解釈が変わる作品なので、観た人の数ほど結末が存在する。可能ならば誰かと共に鑑賞し、朝まで語り明かしたい。一度目の鑑賞は何も情報を得ずに観て、他の鑑賞者達の解釈を踏まえて、改めてもう1度鑑賞するのが本作の醍醐味といえようか。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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