父は連続殺人鬼なのか?真相を究明しようとするさまを描く『クローブヒッチ・キラー』がいよいよ劇場公開!
(C)CLOVEHITCH FILM, LLC 2016 All Rights Reserved
16歳の少年がとあるきっかけで、未解決殺人事件の犯人が父なのではないか、という疑念を抱き、事件を追う少女と共に真相を探る様をスリリングに描く『クローブヒッチ・キラー』が6月11日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『クローブヒッチ・キラー』は、父親に殺人の疑いを抱く16歳の少年を主人公に据えたサスペンススリラー。信仰を重んじる小さな町で貧しくも幸せな家庭に暮らす16歳の少年タイラー。ある日、タイラーはボーイスカウトの団長も務め、町でも信頼の厚い父親ドンの小屋に忍び込み、猟奇的なポルノや不穏なポラロイド写真を見つけてしまう。不審に思ったタイラーが調査を進めていく中で、父親が10年前に起きた未解決事件「巻き結び(クローブヒッチ)連続殺人事件」の犯人ではないかとの疑念を深めていく。タイラーは同じく事件を追う少女カッシに協力を求め、真相を究明しようとするが…
本作では、『荒野にて』『ゲティ家の身代金』で注目を集めた若手俳優チャーリー・プラマーがタイラー役で主演。『ザ・シークレット・サービス』のディラン・マクダーモットがドンに扮し、妻でタイラーの母親を『ブロークン・アロー』のサマンサ・マシス、タイラーの相棒となるカッシを『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマディセン・ベイティが演じた。監督をダンカン・スキルズが務めた。
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映画『クローブヒッチ・キラー』は、6月11日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月11日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、6月25日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。
大人が思うほど子どもが純粋無垢ではない、と大人になってわかった。同時に、大人も(たとえ親であっても)子どもが思うほど品行方正ではない、と。誰しも人には言えないような秘密を1つや2つは持っており、葬り去りたい過去もあるだろう。
本作では、主人公のタイラーが父親の持っていた猟奇的なポルノやポラロイド写真を発見し、父親が10年前に起こった未解決事件の犯人ではないか?と疑いの眼差しを向けていく。タイラー達の住んでいる町ではキリスト教信仰を重んじている人が多く、ポルノ写真を持っているだけで軽蔑され、誰にも相談できない。同じくして事件を追う少女カッシと出会い2人で調査を始める。自転車での追跡などを含めジュブナイル映画ならではの可愛らしさがありつつ、町の閉鎖感も含め全体的にシリアスなムードが漂う本格派なサスペンスだ。
タイラー役のチャーリー・プラマーが、父親への信頼と疑念の間で気持ちが揺れ動く少年を好演しており、父親の知られざる一面に直面することの戸惑いや嫌悪をリアルに描き堕している。また、父親役のディラン・マクダーモットが「いいお父さん」にも「変態親父」にも見える怪演ぶりが見事。最後まで気が抜けない。真実の行方はさておき、息子に秘密を知られてしまった父親の気持ちになると辛いものがあるが、思春期の子どもにとって親が「絶対的な存在」ではなくなっていくことが本作のテーマの一つであるようだ。
それにしても、偶然見つけてしまったとは言え、隠していることは見て見ぬふりをしてほしいものだ。……と何故か父親目線になってしまうのは、自分が品行方正ではない大人になってしまったからだろうか。
fromマエダミアン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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