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夫の出張中である女性が3人の女友達を訪ね、たわいのない会話から結婚観や人生の本質をあぶり出す『逃げた女』がいよいよ劇場公開!

2021年6月8日

(C)2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved

 

結婚生活で初めて夫と離れた女が、再会した友人との会話の中で変化する愛についての考え方や、揺れ動く女性心理をスリリングに描く『逃げた女』が6月11日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『逃げた女』は、5年間の結婚生活で一度も離れたことがなかった夫の出張中、初めて1人になった主人公ガミの心が、3人の女友達と再会したことで揺れ動いていくさまが紡がれる。バツイチで面倒見のいい先輩のヨンスン、気楽な独身生活を謳歌する先輩のスヨン、そして偶然再会した旧友のウジン。ガミは行く先々で「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返した。親密な会話の中に隠された女たちの本心、そしてそれをかき乱す男たちの出現を通じ、ガミの中で何かが少しずつ変わり始めていく。

 

本作では、韓国のホン・サンス監督と、公私ともにわたるパートナーである『夜の浜辺でひとり』のキム・ミニが7度目のタッグ。キム・ミニがガミ役を演じるほか、ホン・サンス作品常連俳優のソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、『はちどり』 のキム・セビョクらが顔をそろえる。2020年の第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞した。

 

(C)2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved

 

映画『逃げた女』は、6月11日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月11日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、6月18日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

登場人物たちが会話している様子に向けて急にグ~ンっとカメラが寄っていく。独特のタイミングのズーム、劇中にBGMはほぼ無く淡々と続く会話劇。短い尺であっさりと終わりつつ、ふと思い出してクスっとするような、ほんのりとした余韻。いつもながらホン・サンスの世界だ。

 

主人公ガミを演じるのは、キム・ミニ。眩しいようなシスターフッドと艶めかしさと美しさに溢れた名作『お嬢さん」での姿が印象深い。ホン・サンス作品の常連としても認知度が高い女優となった。ガミが何人かの女友達と再会し、ご飯を食べて、夫の話をする。微妙にかみ合わず観客側がいたたまれない会話や、意味深なのに回収されない演出など、不思議な雰囲気を漂よわせながらも、ガミの仕草が徐々に変わっていくのが静かに伝わってくる。観終わった時、改めて本作のタイトルが『逃げた女』であることの意味に染み入った。

 

物語後半の舞台はソウルに実在する総合アートスペース「emu」。1Fはカフェ・書店・雑貨売り場が、上階には映画館があり、居心地がとても良い。ミニシアター系作品が主に上映され、近年では『カメラを止めるな!』も上映しており、日本映画にもスポットをあてるスタンには映画ファンの支持も厚い。スペースのコンセプトを踏まえた上でのエンドロールが素晴らしい。

 

2019年製作の本作は、コロナ禍で日本に遅れて入ってきた作品だが、いつ観ようとも、そのまったりとしたテイストを損なうことはないはず。ホン・サンス監督のファンには期待通りであり、初体験の方にも見やすい80分尺なので、損はしませんよ!と強くおススメしたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

 

ホン・サンス監督が描く人間の機微や緩やかな交流が観客の心に寄り添っていく。知人に会いに来た主人公ガミの視点から物語は始まる。ガミは訪問した先々で思い出話をするが、彼女の心情は一筋縄では掴めない。だが、繰り返す言葉や会話の中から、彼女に何があったのか、観客は予想していくようになる。

 

ホン・サンス監督が切り取る画面は不思議で、ドキュメンタリーを観ているような錯覚に陥ってしまう。画面には殆んど2人しか存在しない。淡々と話し込む様子を見ていると、映画と地続きで同じ空間にいるような感覚に陥った。長回しのダイアローグの中に挟まるカメラのズームによって、カットに映る主人公と相手の存在がぐっと身近に引き寄せられる。ホン・サンス監督とは7度目のタッグとなるキム・ミニ。今作では自然体な役柄に近く、演技の難易度が高くとも、とても魅力的に演じ切っているので必見だ。

from君山

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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