「インフェルノ」出版秘話から生まれた本格ミステリー！『9人の翻訳家囚われたベストセラー』が全国の劇場でいよいよ公開！

2020年1月22日

（C）（2019）TRESOR FILMS – FRANCE 2 CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – LES PRODUCTIONS DU TRESOR – ARTEMIS

外界から隔絶された洋館の地下密室を舞台に、世界中の読者が待ちわびるミステリー小説の原稿流出の危機と、その容疑者となる翻訳者９人の運命を描く『9人の翻訳家囚われたベストセラー』が、１月２４日（金）より全国の劇場で公開される。

映画『9人の翻訳家囚われたベストセラー』は、世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をはじめとするダン・ブラウンの小説「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー映画。シリーズ４作目「インフェルノ」出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったという前代未聞のエピソードを題材に描く。フランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売に向けて、９人の翻訳家が集められた。翻訳家たちは外部との接触を一切禁止され、毎日２０ページずつ渡される原稿を翻訳していく。しかしある夜、出版社社長のもとに「冒頭１０ページをネットに公開した。２４時間以内に５００万ユーロを支払わなければ、次の１００ページも公開する。要求を拒めば全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。

本作では、社長役に『神々と男たち』のランベール・ウィルソン、翻訳家役に『007 慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ、『イミテーション・ゲームエニグマと天才数学者の秘密』のアレックス・ロウザー。『タイピスト！』のレジス・ロワンサルが監督・脚本を手がけた。

（C）（2019）TRESOR FILMS – FRANCE 2 CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – LES PRODUCTIONS DU TRESOR – ARTEMIS

映画『9人の翻訳家囚われたベストセラー』は、１月２４日（金）より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のＭＯＶＩＸ京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸のをはじめ、全国の劇場で公開。をはじめ、全国の劇場で公開。

世界同時リリースされる文学作品の裏側で、翻訳者が監禁されていたとしたら…という設定の映画があったらおもしろいよなぁ…と思っていたら具現化されました。しかも、違法流出防止のために実際に行われていたなんて…二重の意味で驚いてしまう作品が本作である。しかも、監督は『タイピスト！』のレジス・ロワンサル。田舎育ちの女性が世界最速のタイピストを目指す、といった主人公を応援したくなる物語を制作した監督が、タイピングされたものに囚われる物語を作り出すとは…前作とは違った方向にステップアップした本格ミステリー作品となっており、興味深い。

本作で翻訳されるミステリー小説「デダリュス」完結編の表紙を見て、あるジャズ・アルバムを思い出した。ビル・エヴァンス＆ジム・ホールによる『アンダーカレント』である。数あるジャズ・アルバムの中でも屈指の美ジャケで知られる名盤だ。ジャズ・ピアニストのビル･エヴァンスは、ベースのスコット・ラファロとドラムのポール・モチアンとのトリオを組み、数々の傑作を生み出した。だが、盟友のスコット・ラファロを自動車事故で亡くし、喪失感や絶望の底にいたなかで、ギタリストのジム・ホールと共演し『アンダーカレント』を制作した。アルバムタイトルは、底流を意味するが、盟友を亡くした悲しみによって沈み込んでいくような、ギターの音に寄せらせて現実を見ているようにも感じられる傑作である。まさに本作のストーリーテリングを示唆するかのようなデザインが「デダリュス」完結編の表紙に表現されている、と感じた。なお、資料によれば、ロワンサル監督は『ギル・エヴァンスの個性と発展』を聴きながら、本作の脚本を書き上げた、とのこと。ギル・エヴァンスもジャズ界では有名なピアニストでありアレンジャーの１人。ジャズの名盤達が如何にしてロワンサル監督を作り上げ、世に放たれるべき作品を制作できるようになったのか、ぜひとも直接聞いてみたい。

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