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変わりゆく下北沢の街を舞台に紡ぎ上げたユニークな“日常”を描く『街の上で』がいよいよ劇場公開!

2021年4月1日

(C)『』フィルムパートナーズ

 

古着屋に勤め、下北沢界隈を生活圏にしている青年が自主製作映画への出演依頼という“非日常”的な状況に直面する様を、彼が出会う女性たちとのエピソードを絡めて映し出す『街の上で』が4月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『街の上で』は、下北沢を舞台に1人の青年と4人の女性達の出会いをオリジナル脚本で描いた恋愛群像劇。下北沢の古着屋で働く青年の荒川青は、たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、基本的に1人で行動している。生活圏は異常なほどに狭く、行動範囲も下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。

 

本作は、『』の今泉力哉さんが監督を担い、同作にも出演した若葉竜也さんが単独初主演を務め、『』の穂志もえかさん、『十二人の死にたい子どもたち』の古川琴音さん、『』の萩原みのりさん、『』の中田青渚さんが4人のヒロインを演じた。また、成田凌さんが友情出演している。

 

(C)『街の上で』フィルムパートナーズ

 

映画『街の上で』は、4月9日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田と心斎橋のシアタス心斎橋、京都・出町柳の出町座をはじめ全国の劇場で公開。(4月23日(金)より京都・桂川のイオンシネマ京都桂川、5月1日(土)より神戸・元町の元町映画館でも公開)

「二人近くなりすぎて心はいつも、裏腹の言葉になってく」

 

古内東子さんの名曲「誰より好きなのに」の一節。心に染みる恋愛作品を観た時にこのフレーズをよく思い出す。好きなのに上手く伝えられず、もどかしい気持ちを見事に表現した歌詞である。本作も歯がゆい気持ちに溢れた愛おしい映画だ。様々なカルチャーがごちゃ混ぜになった下北沢の魅力やどこか素直になれない人間模様を今泉力哉監督は愛着のある古着のように優しい目線で切り取っていく。とりとめのない会話に宿る人間味や「好き」の感情に振り回される可笑しさは今泉力哉監督作品の魅力だが、今作は、集大成と呼べる作品と言える。

 

今作の登場人物達は、皆の言っている事と想っている事が違うあべこべな人達ばかりだ。大切な人には好きと言えずに、ぶっきらぼうに振る舞ってしまう。でも、冷たく接されると未練がましく、かまって欲しいと駄々をこねてしまう。きちんと伝えたらいいのは分かっていても、なかなか素直になれない。ダメだと分かっていても下北沢の居心地の良さに甘えてしまう。しかし、友達や先程知り合ったばかりの人にはすんなりと自分の想いをストレートに打ち明けたり、正直になれたりする。なぜ人は素直になれないのだろうか。「好き」という感情は本当に厄介で面倒くさい。しかし、愛おしくて仕方がないのだった。不器用な人間達が出会い、絡み合ってほどけなくなる姿は、とても可笑しくて仕方がない。しかも、役者陣の会話や反応が自然かつ独特なリズムで織りなされる。見ているだけで心地が良かった。

 

そして、何気ない日常や出会いに対する愛おしい眼差しも忘れられない。勤め先の古着屋で読書したり、ミニシアターや小劇場、ライブハウスにフラッと立ち寄ったり、行きつけのカフェやバー、古本屋でまったり過ごしたり、馴染みのある人達と他愛のない会話をしたり、思っても見ないようなところで新しい出会いに遭遇したり…なんてことない些細な日常だが、映画というフィルターを通すと、かけがえのないものに見えてくる。自由に出かけたり人に会ったりすることが難しくなったコロナ禍の中で、何気ない日常は余計に愛おしく感じられてしまう。何気ない日常や「好き」の感情、予期せぬ出会いに改めて喜びを感じる…今作の豊かな人間模様に誰もが虜になってしまうことを願ってやまない。

fromマリオン

 

今、映画館通いの映画通にオススメを聞くと、必ずしも名の挙がる映画監督の一人である今泉力哉監督。本作を鑑賞し、”このまま、映画館の椅子に座っていたい…立てない……帰りたくない…もっと観ていたい…”と、心地良さがいつまでも残ってしまった。

 

本作では、”下北沢”という場所が愛おしい。漫画やドラマ、映画で観た、”下北の街”の共感覚や温度感のイメージそのままでにパッケージングされており「本当は、自分の仲の良い友達の話なんじゃないのか…」と錯覚するような、等身大のストーリーだと感じた。今作の魔法にかかり、いつしか映画の世界に引き込れていたからに違いない。小気味の良いテンポで流れる130分。時にシリアスに、たまにコミカルに…何気ない言葉で刻む会話のビートに、ガツンと胸を刺す言葉。さっきまで確かに、その”街の上”にいたのだ。今泉監督作品の真骨頂を垣間観た。

 

ちなみに、劇中にも登場する、魚喃キリコさんの『南瓜とマヨネーズ』を併せて観ておくと、更に世界観に浸れるのでオススメ!そう、あの世界線なのです!!

from関西キネマ倶楽部

 

2019年4月、『愛がなんだ』が公開され大ヒット後、4本の新作が次々と上映された。それぞれ雰囲気は異なりつつ、どれも面白く評価も高く「こんなハイペースでクオリティを落とさずに何本もの映画を撮れるのは、すごい人だな!」と、近年の今泉力哉監督の姿は印象的だ。きっと、作品のアイディアは何年も前から、ずっと前からいくつもあり、撮りたいと思う作品を(数年前までと比べて)撮ることができる機会がようやく増えてきたのだろう。

 

今泉監督のTwitterでは、以前からブレずに何度も口にされていることがいくつかある。「同じ企画でも、自分ではなく他の監督が撮ったほうが面白くなりそうなら、引き受けないほうが良い」とよく話す。監督の作品では、どこか不器用で一生懸命な登場人物達の姿を「見つめている」という言い方がよく行われる。作品の世界とそこに生きるキャラクタたちへの愛情をじわじわと感じてしまう。今まで今泉力哉監督の作品を追いかけてきた人も、これが監督作品の初体験になる人も、本作が最上の大切な一本になる人は多いのではないか。あえて言わせていただきたい、たまらなく傑作です。ものすごくオススメします!

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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