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メイドカフェで働く人見知りな津軽弁少女の奮闘と成長を描く『いとみち』が第16回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で世界初上映

2021年3月10日

(C)2021『いとみち』製作委員会

 

強い津軽弁訛りと人見知りがコンプレックスの女子高生がメイドカフェでアルバイトを始めたことをきっかけに成長していくさまが描かれる『いとみち』が第16回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で世界初上映された。

 

映画『いとみち』は、青森県の津軽地方を舞台に、メイドカフェで働く人見知りな津軽弁少女の奮闘と成長を描いた青春ドラマ。「弘前市の高校に通う16歳の相馬いと。三味線を弾く時に爪にできる溝「糸道(いとみち)」を名前の由来に持つ彼女は、祖母と亡き母から引き継いだ津軽三味線が特技だが、強い津軽弁と人見知りのせいで本当の自分を誰にも見せられずにいた。そんなある日、思い切って津軽メイド珈琲店でアルバイトを始めたことで、彼女の日常は大きく変わり始める。

 

(C)2021『いとみち』製作委員会

 

本作は、『ウルトラミラクルラブストーリー』の横浜聡子監督が越谷オサムさんの小説を実写映画化し、『名前』の駒井蓮さんが主演を務めた。また、いとを心配しながらも見守る父を豊川悦司さん、津軽メイド珈琲店の怪しげなオーナーをお笑いタレントの古坂大魔王さん、シングルマザーの先輩メイドを『二十六夜待ち』の黒川芽以さんがそれぞれ演じる。

 

映画『いとみち』は、6月25日(金)より全国の劇場で公開予定。

長編映画としては『俳優 亀岡拓次』以来5年ぶり、出身地の青森を舞台にした作品としては『ウルトラミラクルラブストーリー』以来となる横浜聡子監督の新作。青森県平川市出身の駒井蓮さんを主演にしており、津軽弁全開の作品となっている。所々、何を言っているかわからないシーンもあったが、分からないことを敢えて楽しみ、ニュアンスを以て理解できるのは『ウルトラミラクルラブストーリー』と同様におもしろがれる。さらに、駒井蓮さん自身は津軽三味線の経験がなかったようだが、あそこまで堂々としたパフォーマンスが出来るようになるとは…!まさに女優ならではの極みとも云えるスゴ技といってよいだろう。

 

なお、本作の音楽を手掛けているのは、作曲家でピアニストの渡邊琢磨さん(COMBOPIANO)。最近では『あのこは貴族』の映画音楽を手掛けているが、本作においても、コンプレックスのある主人公のいとの感情を繊細な音楽で見事に表現している。また、本作において、いとの友人が聴いている音楽が、人間椅子!青森県弘前市出身のメンバーによるバンドであるが、そんな女子高生がいるか!?と思いながらも、結成30周年を超えるバンドの意外な選曲センスにも驚かされた。

 

タイトルの”いとみち”は、三味線を弾く時に爪にできる溝のことを指す。また、ラストシーンを観ながら、いとが進んでいく選んだ道という意味も込められているように感じた。津軽三味線とメイド、コラボレーションしなそうで意外と合っているかもしれない今作、独特のユーモアもおもしろく、いとを真摯に応援したくなる類まれなる青春映画として存分に仕上がっている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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