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生きにくい世の中でも気持ちを押し殺さず叫んで…!『アイムクレイジー』工藤将亮監督と曽我部恵一さんを迎え舞台挨拶開催!

2019年9月16日

音楽の道をあきらめかけているミュージシャンが作曲家の女性とその息子に出会ったことを契機に変わっていく物語『アイムクレイジー』が9月6日(金)より全国の劇場で公開中。9月16日(月・祝)には、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋に工藤将亮監督と曽我部恵一さんを迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『アイムクレイジー』は、音楽を愛する一人の青年の成長物語。音楽の道を諦めことにしたミュージシャンの佑樹は、ラストライブが目前に迫っていたある日、徒歩でバイトに向かう途中で車と事故に遭い、車を運転していた作曲家の美智子と広汎性発達障害を持った息子の健吾と出会う。バイト先の店長から半ば無理やり健吾の子守りをさせられたことをきっかけにして、佑樹は美智子と健吾親子に深く関わっていく。厳しい現実に直面しながらも強い信念を持ち、明るく振る舞う美智子。そんな彼女の姿は、周囲のさまざまな事柄にいらだちを感じていた佑樹を少しずつ変えていった。
本作では、ミュージシャンとしても活躍する古舘佑太郎さんが主人公の佑樹を演じ、美智子役を『真っ赤な星』『娼年』の桜井ユキさん、バイト先の店長役を映画初出演となるサニーデイ・サービスの曽我部恵さん一が演じる。なお、行定勲監督作品や白石和彌監督作品などで助監督を務めた工藤将亮さんの長編監督デビュー作となった。

 

上映後、工藤将亮監督と曽我部恵一さんが登壇。憧れのミュージシャンと登壇し、楽しそうな雰囲気が伝わってくる舞台挨拶となった。

 

学生時代からサニーデイ・サービスのファンの工藤監督は、主演の古舘さんも曽我部恵一バンドのファンで、曽我部さんとが共演したいと聞き、曽我部さんを紹介して頂いた。曽我部さんは、映画出演のオファーを受け「良いよ」と返事する。直ぐに台本を送ってもらい、どんな役であるか把握し「そもそもメインの役ではないでしょう。やはりカメオ出演だ」と捉えていく。台詞を覚える必要があると認識したが「やりますよ」と応えていった。実は、曽我部さんをイメージした役柄を書いた工藤監督は、脚本に”曽我部”という役名を設定し「曽我部さんみたいな人が古舘君のような不貞腐れた奴の上司だったら救われるんだろうな」とイメージして執筆する。古舘さんから「曽我部役は曽我部さんにやってもらえます?」と云われ工藤監督は「一度、馬鹿なふりしてマネージャーさんに電話した」と告白。「良いですよ」と云われたが、心配になり「本当に大丈夫ですか」と何度も聞き直したことを明かした。

 

初めての映画出演だった曽我部さんは「監督に言われるまま演じたつもりではあるんですけど。何も分からず、演技が何なのかも分からない。台詞を覚えて監督の丁寧な指示に従ってそのままやった」と素直に話す。工藤監督は曽我部さんに対し「俳優さんではないので、気をつけながら演出しよう」と試みたが、一度も台詞ミスがなく「登場人物は皆達者で台詞ミスがなかったですけど、曽我部さんに関しては全く台詞ミスがない。1テイクを細かく変えていっても対応してくれた」と驚いた。これを受け、曽我部さんは「ポイントが分からずに演じてみました。出来上がった映像を最後に観たんですけど、演技自体を理解していないので、自分のシーンはどうなんだろう」と冷静に応える。長年のミュージシャン経験から「人前で歌うことは自分でも掴めている。大きな物語の中で演じることは分かっていなくて、勉強になりました」と感謝していた。工藤監督の場合は「僕自身が映画が好きで、この業界で始めて、いつの間にか助監督の仕事をひたすらやっていた」と振り返り、映画が嫌いになり不貞腐れていた時期があり「映画っぽい演出や決まり事から逸脱してやろう」という意識があり、本作に取り組んでいく。

 

助監督を長年やっていた工藤監督は、撮影で大変だったと思うことはなく「今までやったことがないことをやってみよう」とチャレンジしていった。だが「音楽演奏のシーンでは新しいことをやってみたかったんですが、新しいことが生み出せない時は頭を悩ませ大変な気持ちになりました」と告白。曽我部さんも手探り状態で「全体像が分からなかった」と明かすが「自分としては楽しんでやらせて頂いて良い経験になりました」と感謝している。セッションシーンは工藤監督が現場で指示しながら撮影しており「音楽の音色については判断は出来ないので、曽我部さんと古舘君に聞きました。桜井さんは普段は音楽を演奏していない人なので、楽器を持ち帰って練習して頂いた」と話す。なお、本作のラストでは印象的な言葉が書き殴られる。工藤監督は「皆が同じ社会の中で、違う自分がいることが異常なのか、皆が皆別々でいいんじゃないかな」と思い『』というタイトルにしており「お客さんに伝わったらな」と願っていた。

 

最後に、曽我部さんは「僕が観た第一印象は、監督が情熱だけで作っている映画なんだなと。テクニックや情報を一度捨てて、監督の意思だけで作っている映画が実は貴重な時代だと思うので、素敵だな」と伝え、作品が広まっていくようにお客さんにお願いする。工藤監督は、先輩監督や映画関係者の人達から心配されていることを明かしながら「僕にとっては、してやったり。生きにくい世の中で何をやっても上手くいかなかったり、思っていることが出来なかったりすると、気持ちが強くなります。気持ちが強ければ強いほど生きにくい世の中でも、そんな気持ちを押し殺さないで叫んでほしいな」と思いを伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『アイムクレイジー』は、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸の京都シネマをはじめ、全国の劇場で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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