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柳楽さんが素直な人だからこそ、役者にとって一番大事なものを持っている…『ターコイズの空の下で』柳楽優弥さんとKENTARO監督を迎え舞台挨拶開催!

2021年3月13日

自堕落な生活を送る青年と馬泥棒が探し人を求めてモンゴル中を旅していく様を描く『ターコイズの空の下で』が関西の劇場でも3月12日(金)より公開中。3月13日(土)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に、柳楽優弥さんとKENTARO監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ターコイズの空の下で』は、柳楽優弥さんが海外合作映画に初主演し、モンゴルを舞台に2人の男の旅路を描いたロードムービー。大企業の経営者である三郎を祖父に持つ青年タケシは、贅沢三昧の自堕落な生活を送っていた。ある日、三郎の所有する競走馬を盗んだ罪で、モンゴル人のアムラが逮捕される。三郎は第2次世界大戦終了時にモンゴルで捕虜生活を送っており、現地の女性との間に娘がいた。アムラとの出会いをきっかけに、三郎は生き別れた娘を捜すため、タケシをモンゴルへ送り込む。言葉も通じず、価値観も異なるアムラとともに旅を始めるタケシだったが……。モンゴルの人気俳優アムラ・バルジンヤムがタケシの相棒となるアムラ、麿赤兒さんが祖父の三郎をそれぞれ演じる。欧米で俳優としても活動する映像作家のKENTAROさんが長編映画初メガホンをとった。

 

今回は、上映前に柳楽優弥さんとKENTARO監督が登壇。大阪の緊急事態宣言も明け、満席状態での舞台挨拶となった。

 

初めての合作映画出演となった柳楽さんは「5ヶ国のスタッフが混ざり様々な言語が行き交っている現場で初めて撮影した作品が皆さんに届けられて本当に嬉しい」と感慨深く「物質的な豊かさ以外の精神的な豊かさによって成長していくタケシの姿を楽しんでもらえたらいいな」と現在の心境を話す。モンゴルのある詩人による一節から「空をターコイズ色と表現しているのが美しい」とKENTARO監督がタイトルの経緯を明かすと、柳楽さんは「綺麗だなぁ」と共感。KENTARO監督は「モンゴルは海抜が高い。ウランバートルは1400m近くあります。田舎に向かうと次第に上がっていき、私達が撮ったところは2600〜3000m。空気も薄く、雲がすぐそこにある」と説き「綺麗で夜になると星が近くに全て見えている。プラネタリウムのように美しい」と讃えていく。

 

撮影を振り返り、柳楽さんは「監督は乗馬が上手いです」と挙げると、KENTARO監督は「何を言っているの?あなたの方が…」と謙遜。すかさず柳楽さんは「僕も乗れるんですが、監督の乗馬テクニックはプロっぽい」とアクションを交えながら絶賛。「監督から馬の指導をしてもらえた。」と感謝しながら「監督自身も『ラッシュアワー』や『TAXi』に出演している俳優として面があり、様々な知識があり、大好きです」と述べると、KENTARO監督も「大好きです」と仲の良さを表す。監督にとっては「彼を一番ピュアな状態で見せることが出来た」と満足しており「演技を作って一方的に見せるのではなく、役者と役者の間で出来たエネルギーの中で作るので、彼が素晴らしく演じた」と信頼を寄せている。

 

これまでの経験を振り返り、柳楽さんは『誰も知らない』でのデビューや蜷川幸雄さん演出による舞台への初出演を思い返し「節目毎に厳しく指導して下さる方に会えました」と敬意を表す。さらに「護身術の先生が厳しく、いつも怒られています。褒められた方が嬉しいですが、厳しくされた時の方が燃えている」と明かした。今回、KENTARO監督との作品づくりについて「厳しく怒るのではない。目指しているもののハードルが高い。そういう人といると自分も成長できる」と喜んでおり「監督との出会いが大きいですね。現在は、普段は相談の電話をするぐらい仲良しです」と2人の関係は揺るぎない。KENTARO監督は、柳楽さんについて「とてもピュア。素直な人だから役者に一番大事なものを持っている。これからが楽しみだ」と期待しており「彼は英語を勉強していて、これから外国でも見たいですよね」と観客の期待も伺う。

 

ここで、アムラ・バルジンヤムから日本の劇場公開を祝したビデオメッセージがスクリーンに映され、KENTARO監督は思い出したかのように「(柳楽さんの)踊りを見せたいですね。彼はずっとタップをやっていて、格好良いですよ。動くシーンで彼はアドリブで踊ってくれて上手いなと思ったんですよ」と告白。柳楽さんは「『浅草キッド』という映画を昨日まで撮っていて、タップを踏んでるですけどね」と明かし、軽快にタップのステップを披露していく。KENTARO監督は「アムラは若い時に学校で演技を学んだ時に『あなたは役者を辞めた方が良い』と云われた。彼は辞めないで素晴らしく、モンゴルでトップの役者でモンゴルのアカデミー賞を3度受賞している」と解説し「道を歩いていると、5分もしないうちに写真を求められる」とモンゴルでのエピソードを明かす。柳楽さんも「アムラがいるとロケ地を貸してくれる」と頼りにしており「男らしいし、優しくて知的な雰囲気もある。格好良かったですね。背中を追いかけたくなる人」と気に入っている。

 

最後に、柳楽さんは「ドイツのマンハイム(第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭)での満席の雰囲気を思い出すような、とても嬉しい気分です」と現在の気持ちを伝え「精神的な豊かさで成長していくタケシの姿を楽しんで観て頂きたいな」とメッセージ。KENTARO監督は「ちょっと変わったファンタジーが沢山入った寓話みたいな映画なんです。頻繁にあるような映画ではないと思うんです。皆さんの感想が聞きたい」と本作への気持ちを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ターコイズの空の下で』は、関西では大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、堺のMOVIX堺、京都・烏丸御池のアップリンク京都、兵庫・尼崎のMOVIXあまがさきで公開中。また、4月9日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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