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この10年間における思い出の1本になれば…!『ソワレ』外山文治監督と前田和紀プロデューサーを迎え舞台挨拶開催!

2020年9月12日

偶然出会った若い男女の、それぞれの焦燥と出会い、逃避行を描く『ソワレ』が全国の劇場で公開中。9月12日(土)には、大阪・梅田のテアトル梅田に外山文治監督と前田和紀プロデューサーを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ソワレ』は、若い男女の切ない逃避行を描いたドラマ。俳優を目指して上京した翔太は、俳優では芽が出ずに今ではオレオレ詐欺に加担してなんとか食い扶持をつないでいる。ある夏、翔太は故郷の和歌山にある高齢者施設で演劇を教えることになり、その施設で働くタカラと出会う。数日後、祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太が目撃したのは、刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けるタカラの姿だった。とっさに止めに入る翔太、そして逃げ場のない現実に絶望してたたずむタカラ。翔太はタカラの手を取り、夏の街の中へと駆け出していく。
『燦燦 -さんさん-』の外山文治さんが監督を務め、村上虹郎さんと芋生悠さんらインディーズ映画界の注目株が共演する。なお、豊原功補さんと小泉今日子さんと外山監督らが立ち上げた映画制作会社である新世界合同会社の第1回プロデュース作品となった。

上映後、外山文治監督と前田和紀プロデューサーが登壇。お客さんからのすすり泣きなど作品の余韻に浸りながら開催された舞台挨拶となった。

 

現在、SNS上では、鑑賞後のお客さんによる作品への熱い思いが拡散されており、司会を務めた前田プロデューサーはその反応を基にして外山監督に質問していく。最初から本作のタイトルを『ソワレ』に決めていた外山監督。演劇の夜公演という意味があるが「人生の主人公になりえなかった2人が、それでも自分の人生を生きていく、自分の舞台を生きていくんだ、という意味を込めました」と明かし、現在の状況を鑑み「明日が見えない世界になったので、明日をじっと待っている人という意味も含まれてくれたらいいなぁ」と願っている。2年前に監督が和歌山の民家に宿泊しながら書かれた本作の脚本について「今の日本映画界において、オリジナルストーリーを書くのは難しいですが…せっかくの機会なので、商業映画でもこういった作品があってもいいのではないか、商業映画のルールに則った方がいいのではないか」と葛藤しながら執筆したことを告白し「一年間ぐらいかけて脚本を書きましたが、何にも媚びずお客さんを信じることを覚悟することが苦労しました」と吐露していく。

 

ヒロインの芋生悠さんとのお仕事は初めてだった外山監督。芋生さんが18歳の時に存在を知り、写真展に伺い「素敵な人だなぁ」と感じたが「帰宅したら顔が思い出せなかった」と打ち明けてしまう。しかし「彼女自身が人間としての核が定まってない頃だったので、フワッとしていた。コレが翔太との関係性に重なるんじゃないかな」と気づき「彼女が21歳になり、儚さだけでなく力強くエネルギーに充ちた人間に成長してくれた。タカラの過去やトラウマを悲哀だけで描かなくてもいいのではないか。強く生きていく姿を今の芋生さんなら出来るのではないか」とスタッフに対して懇願。現場では、芋生さんを信頼して撮っており「強烈な演技を魅せてくれた」と大いに気に入っている。なお、キャスティングはオーディションによって決められており「脚本に合った方を選ぶのは意外と普通ではない。皆から画期的だと云われるが、純粋な映画づくりをしたい」という思いを以て、プロデューサー達と共に選んでいった。最後に、外山監督は「ささやかな映画なんです。今年のNo.1興行収入になるようなタイプの映画とは違いますが、10年間で皆さんの思い出の1本になっていたらいいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ソワレ』は、大阪・梅田のテアトル梅田、なんばのTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸をはじめ全国の劇場で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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