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がんを宣告を通じて死と対峙する親子の姿を描く『愛する人に伝える言葉』がいよいよ劇場公開!

2022年10月4日

(C)Photo 2021 : Laurent CHAMPOUSSIN – LES FILMS DU KIOSQUE

 

末期癌を宣告された主人公とその母親が、残された時間の中で静かに死に向き合い、同時に生きることへの尊厳を見出していく『愛する人に伝える言葉』が10月7日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『愛する人に伝える言葉』は、ガンで余命宣告を受けた男とその母が穏やかに死と対峙していく姿を描いたヒューマンドラマ。人生半ばにして膵臓ガンを患ったバンジャマンは、母クリスタルとともに、名医として知られるドクター・エデのもとを訪れる。ステージ4の膵臓ガンは治せないと告げられ自暴自棄になるバンジャマンに対し、エデは病状を緩和する化学療法を提案。エデの助けを借りながら、クリスタルはできる限り気丈に息子の最期を見守ることを決意するが…

 

本作では、フランスを代表する名優カトリーヌ・ドヌーブと『ピアニスト』のブノワ・マジメルが共演。主人公に愛情を寄せる看護師を『モンテーニュ通りのカフェ』のセシル・ドゥ・フランス、主治医のドクター・エデを実際にガンの専門医であるガブリエル・サラが演じる。監督は『太陽のめざめ』のエマニュエル・ベルコが務めた。なお、2022年の第47回セザール賞でマジメルが最優秀主演男優賞を受賞している。

 

(C)Photo 2021 : Laurent CHAMPOUSSIN – LES FILMS DU KIOSQUE

 

映画『愛する人に伝える言葉』は、は、9月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

膵臓は、がんが発生しても症状が出にくく、早期の発見は簡単ではない。気づいた時にはステージ4だったことはよくある。小生の祖母は膵臓がんで亡くなった。生まれて初めて家族を亡くした経験だったことから正面から向き合うことが出来なかったことを覚えている。だが、遠縁になっていた親戚が最後に来ていたことを知り、感慨深い出来事だった。

 

本作では、若くして膵臓がんを患った息子のために、母親が机上に見守っていく姿が印象深い。息子が出来る限り後悔なく生き抜くために、患ったことに対して直接的な関係がなくとも、原罪的な要因を償うかのごとく、思い悩みながらも接していく。そんな家族に真摯に相対していくドクター・エデの真摯な振る舞いに驚かされてしまう。演じたガブリエル・サラは医学博士で、勤めている病院では医療部の上級指導医である。まさにピッタリの当事者キャスティングだ。日本ならドキュメンタリー映画でスポットが当たっても、劇映画の出演はあまり聞いたことがない。彼が若き医療従事者達に説く、患者との向き合い方には感心させられる。

 

最終的に、どのようなエンディングになるか予想できる作品ではあるが、愛する家族のために何が出来るか、何を伝えられるか、否応にも考えさせられるリアリティある作品であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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