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東ドイツの秘密警察に協力していた実在のシンガーソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの半生を描いた『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年5月26日

(C) 2018 Pandora Film Produktion GmbH, Kineo Filmproduktion, Pandora Film GmbH & Co. Filmproduktions- und Vertriebs KG, Rundfunk Berlin Brandenburg

 

東ドイツの秘密警察にスパイとして協力していた実在のシンガー・ソングライターであるゲアハルト・グンダ―マンの生涯を描いた『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』が5月29日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』は、東ドイツの秘密警察に協力していた実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの生涯を描いたドラマ。昼間は労働者として褐炭採掘場でパワーショベルを運転するゲアハルト・グンダーマンは、仕事が終わるとステージに上がり、自身が作った曲を仲間とともに歌いあげていた。希望や夢、理想に満ちた彼の歌は、多くの人びとに感動を与え、グンダーマンは次第に人気者になっていった。その一方で、彼は当時の秘密警察(シュタージ)に協力するスパイとして友人や仲間を裏切っていた。しかし、1990年の東西ドイツ統一後、同じようにスパイだった友人に裏切られていたことを知ったグンダーマンは、その矛盾を自ら問うこととなる。

 

本作では、アレクサンダー・シェーアが主演を務め、高い演技力でグンダーマンを体現した。監督は東ドイツ出身のアンドレアス・ドレーゼンが務めている。

 

(C) 2018 Pandora Film Produktion GmbH, Kineo Filmproduktion, Pandora Film GmbH & Co. Filmproduktions- und Vertriebs KG, Rundfunk Berlin Brandenburg

 

映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』は、関西では、5月29日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、6月4日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また。大阪・難波のなんばパークスシネマ、神戸・元町の元町映画館、兵庫・宝塚のシネ・ピピアでも近日公開。

かつて「東ドイツのボブ・ディラン」と呼ばれた人気のシンガーソングライターのゲアハルト・グンダーマン。炭鉱労働者として働きながらシンガーソングライターとしてバンド活動をしていた。かつての日本にあった炭鉱と違い、東ドイツの炭鉱は石炭が地表に露出しており露天掘りが可能。巨大な重機を用いて長時間を要する仕事を行っており、時間を有効利用すれば作詞や作曲が出来る、と云えようか。とはいえ、当時の東ドイツは「ドイツ社会主義統一党」(SED)による事実上の一党独裁状態であった。東ドイツで出世するためにはSED党員になるしかない。グンダーマンも審査を経て党員になるが、上司に忖度することなく職場の問題点を指摘していく。労働者階級におけるロック精神は揺るぎない。だからこそ、人々が共感できるシンガーソングライターに成り得た、と考える。

 

されど、東ドイツには「シュタージ」(国家保安省)が国内にスパイ網を張り巡らしていた。多くの東ドイツ国民がシュタージの協力者にされ、身の回りの人々の言動を監視して密告することが奨励された兵された世界だ。協力者になることを断ると、自身が危険人物とみなされかねないため、グンダーマンも渋々協力しなければならなかった。自身の確固たる意志を揺らされながらも、なくなく協力しながらも、皆のことを信じて活動してきたグンダーマンの姿が本作では描かれている。最後まで観終えると「東ドイツのボブ・ディラン」と呼ばれた由縁が切なくも納得せざるを得ない一作であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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