Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

“血の掟”を破った男の美学と矜持が貫かれる『シチリアーノ 裏切りの美学』がいよいよ劇場公開!

2020年8月25日

(C)IBC MOVIE/KAVAC FILM/GULLANE ENTRETENIMIENTO/MATCH FACTORY PRODUCTIONS/ADVITAM

 

1980年代初頭、マフィアの全面戦争が激化する中、マフィアの固い掟を破って政府に寝返った男の姿を描く『シチリアーノ 裏切りの美学』が、8月28日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『シチリアーノ 裏切りの美学』は、イタリアマフィア史上最大のミステリーを映画化。1980年代初頭、マフィア間の抗争が激化の一途をたどるシチリア。パレルモ派の大物ブシェッタは抗争の仲裁に失敗しブラジルへ逃れるが、残された家族や仲間たちはコルレオーネ派の報復により次々と殺害されてしまう。ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やす判事ファルコーネから捜査への協力を求められる。麻薬と殺人に明け暮れる犯罪組織コーザ・ノストラに失望していたブシェッタは、組織の罪を告白することを決意。それはコーザ・ノストラの「血の掟」に背く行為だった。

 

本作は、『夜よ、こんにちは』『肉体の悪魔』などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオが監督を担い、『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』のピエルフランチェスコ・ファビーノ、『輝ける青春』のルイジ・ロ・カーショが出演。2019年の第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品であり、2020年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞や監督賞を含む最多6部門に輝いた。

 

(C)IBC MOVIE/KAVAC FILM/GULLANE ENTRETENIMIENTO/MATCH FACTORY PRODUCTIONS/ADVITAM

 

映画『シチリアーノ 裏切りの美学』は、8月28日(金)より関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸をはじめ全国の劇場で公開。

マフィアは、イタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団を指す。その中でも、コーザ・ノストラは、イタリア語で「我らのもの」を意味し、崇高な秘密結社的犯罪集団である。ボスを頂点とするピラミッド型の構造を持ち、忠誠心と暴力による恐怖支配によって組織が維持されてきたが、派閥があり、組織内の抗争は恐ろし過ぎる。最早、仲間だった人間は、数としか認識されず、冒頭から殺されていくしかない。役名と顔を一致させていくのが至難の業にすら思えてしまうほどにあっという間に消されていく。

 

本作の主人公であるブシェッタは家族と共に逃亡するが、逮捕されてしまう。そこで自らと家族の安全を守るために捜査に協力していく。コーザ・ノストラによる”血の掟”を破る裏切りの行為にも受けとめてしまうが、自身の考える男の美学を貫くための全うな選択だった、とも云える。しかし、自分を守れば守ろうとするほど、周囲にいる味方に危険が迫っていく。組織に関係ない親戚にも危険が及んでしまうのは、なんとも歯痒い。

 

物語の後半は、独特の光景を見せつけられる法廷が中心となる。ブシェッタは完全に守られながら、後方には、コーザ・ノストラの幹部達が檻の中に押し込められ、阿鼻叫喚な地獄絵図が展開されていく。裁判官側にとっては非常にやりずらい画だ。だが、ブシェッタは憎悪の目を向けられ対決姿勢を表しながらも、真摯に裁判で答弁していく。その姿から、大物として扱われる人間は、如何に誇り高き存在であるかと実感させられた。最終的に、自身の信念と野望を貫き通したブシェッタの姿には感服せざるを得ない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts