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大阪の街を全編モノクロで撮影した宮崎大祐監督が放つサスペンス『VIDEOPHOBIA』が日本初上映!

2020年3月7日

大阪の街を舞台にした全編モノクロ映像でつづられる“サイバーパンクサスペンス”『VIDEOPHOBIA』が第15回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で日本初上映された。

 

映画『VIDEOPHOBIA』は、女優志望の女性がクラブで出会った男と一晩限りの関係を持つが、情事を撮影したと思われる動画が流出していることに気付き、徐々に精神を病んでいくサスペンス。東京で女優になるという夢破れて故郷・大阪のコリアンタウンに帰って来た青山愛。それでも夢をあきらめきれず、実家に住み、バイトをしながら演技のワークショップに通っていた。ある日、愛はクラブで出会った男・橋本と一晩限りの関係をもつ。数日後、愛はその夜の情事を撮影したと思われるビデオがネット上に流出していることに気づく。そしてすぐに橋本の家を訪れるが、家はもぬけの殻だった。その後も連日その夜のものと思われるビデオがネット上に投稿される。自分のものとは断言できないが拡散し始める映像に、愛は徐々に精神を失調し始める…

 

本作は、『大和(カリフォルニア)』『TOURISM』の宮崎大祐監督による最新作。大阪の街を全編モノクロで描き出した。ヒロインの愛を、サニーデイ・サービス「セツナ」のミュージックビデオに出演している廣田朋菜さんが演じ、橋本役を『ヘヴンズ ストーリー』の忍成修吾さんが演じた。また、『ジムノペディに乱れる』の芦那すみれさんや『西北西』のサヘル・ローズさんが出演している。なお、音楽はDJ BAKUが手掛けた。

 

映画『VIDEOPHOBIA』は、3月10日(火)20:45よりシネ・リーブル梅田でも上映。

冒頭から大阪のディープゾーン、いわゆる下町エリアが次々と登場するので、観ているだけで気分も高まってくる。しかし、モノクロ映像を最後まで貫いており、ロケーションの匿名性を備えており、不穏な情景がスクリーンを超えた一体感となって押し寄せてくる。

 

本作は、リベンジポルノを扱ったサスペンス。劇中で起こるような事件の被害者になってしまったら、大変なトラウマを抱えてしまう。カウンセリングを受けたとしても、簡単には抜け出せないだろう。治療が逆効果となり、さらに病んでしまう可能性さえある。自身の価値観を超越した変化がなければ克服できないのでは…

 

本作の音楽はDJ BAKUが手掛けている。不穏な状況や深刻な事態に向かっていく時、印象的なノイズが挿入されていく。音響が整っているシアターの環境であるほど、主人公の心境に嫌でも寄り添わされてしまう。最後まで観終えた時、どのような感情を抱いているだろうか、大いに語り合いたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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