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第15回大阪アジアン映画祭開幕!オープニング作品『夕霧花園』(原題)が日本初上映!

2020年3月6日

優れたアジア映画の新作を毎年いち早く鑑賞できる大阪アジアン映画祭が3月6日(金)より開幕!今年度で15回目を迎え、「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに、より豊かで質の高いアジア映画が上映される。オープニング作品として、リー・シンジエ主演、阿部寛出演でおくるトム・リン監督によるマレーシア映画『』(原題)が日本初上映された。

 

映画『夕霧花園』(原題)は、マレーシアを舞台に現地華人女性の日本人庭師への秘めた思いを描く。第二次世界大戦後、再びイギリスの植民地となったマラヤ(現マレーシア)では、独立をめぐり不穏な情勢が続いていた。ユンリンは、今は亡き妹の夢である日本庭園を造るため、有名な日本人庭師の中村有朋を訪れる。有朋は依頼を断るが、現在造っている庭園“夕霧花園”で自分の見習いをしながら庭造りを学ぶことを提案。仕方なく見習いを始めたユンリンだったが、深い信念を持って庭造りに打ち込む姿を受けとめ、ミステリアスで孤独な有朋に惹かれていくが…。約30年後、ユンリンは、有朋の真実を知るために再び“夕霧花園”を訪れる…[英題:The Garden of Evening Mists]

 

本作は、マレーシア出身の作家である陳團英さんにとよるの英文小説「The Garden of Evening Mists」を原作にして、『九月に降る風』『星空』『百日告別』のトム・リンが監督を務めた。マレーシア出身で香港・台湾映画界をメインに活動している『夢遊 スリープウォーカー』『あなたを、想う。』のリー・シンジエが主人公のユンリンを演じ、『テルマエ・ロマエ』『HOKUSAI』の阿部寛が中村有朋を演じた。さらに、『あなたを、想う。』の監督であり、『妻の愛、娘の時』の監督兼出演を務めたルヴィア・チャンが老いたユンリンを演じている。

 

映画『夕霧花園』(原題)は、3月13日(金)9:30よりシネ・リーブル梅田でも上映。今後、今冬に劇場公開を予定[配給:太秦]。

マレーシアを舞台にした台湾映画、もはや国のカテゴライズは関係ないアジア映画として珠玉の一作である。時代は第二次世界大戦後、旧日本軍がアジア各国で相当に酷い業をやり尽した後のマラヤ(現在のマレーシア)はイギリスの植民地となった。独立を目指したゲリラも存在し不安定な状態である。そんな状況下、霧深いマレーシアの山奥で広大な庭園を造り上げた日本人がいたとするならば、どれほど崇高な御勤めだったことだろうか。

 

されど、主人公のユンリンは旧日本軍に酷い目にあった人間である。あんな体験を経てしまったなら、日本に対して、これ以上ない怨念を抱いていたに違いない。しかし、国と人間は違う。日本人庭師の中村有朋が深い信念を以て自らの仕事を遂行する姿を見たならば、尊敬の念を抱かざるを得ない。なお、有朋は庭師業だけでなく、別の技能も携えており、ストーリーに深みをもたらしていく。全てが繋がった時、実に見事なサスペンス作品であると感じさせてくれる。

 

本作がマレーシア出身の作家が書いたことに驚く次第。戦後70年以上を経た現代だからこそ語られる物語の意義を感じる。アジア各国との相互理解につながる作品ではなかろうか。今作が日本でもどのような規模であれ劇場公開されることが喜ばしい限りだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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