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テロリストと人質の交流描く『ベル・カント とらわれのアリア』がいよいよ劇場公開!

2019年11月14日

(C)2017 BC Pictures LLC All rights reserved.

 

1996年にペルーで実際に起きた日本大使公邸占拠事件に発想を得たサスペンスフルな人間ドラマ『ベル・カント とらわれのアリア』が、11月15日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ベル・カント とらわれのアリア』は、テロリストと人質の心の交流を描いたアン・パチェットの小説を映画化。南米某国の副大統領邸で、実業家のホソカワが経営する会社の工場誘致をもくろむ主催者が企画したソプラノ歌手のロクサーヌ・コスのサロンコンサートが開催された。ホソカワ、通訳のゲン、現地の名士や各国の大使らが集まり、パーティはスタートしたが、突然会場になだれ込んだテロリストたちによって副大統領邸は占拠されてしまう。緊迫した空気の中、ロクサーヌの歌をきっかけに、貧困で教育なども受けてこなかったテロリストたちと、教養に溢れた人質たちとの間に親子や師弟関係にも似た交流が静かに生まれ始める。

 

本作は、アン・パチェットのベストセラー小説「ベル・カント」をジュリアン・ムーア、渡辺謙、加瀬亮ら日米の豪華俳優陣が共演。セバスチャン・コッホ、クリストファー・ランバートらが顔をそろえ、『アバウト・ア・ボーイ』でアカデミー脚色賞にノミネートされたポール・ワイツが監督を担う。

 

(C)2017 BC Pictures LLC All rights reserved.

 

映画『ベル・カント とらわれのアリア』は、11月15日(金)より、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSをはじめ全国の劇場で公開。

ペルーでの日本大使公邸占拠事件からこんな物語が出来上がること自体が興味深い。テロリストを題材に扱った作品で本作ほど人間ドラマが描かれた作品は滅多にない。人質達とテロリスト達の思惑は決して交わらないはずだ。人生の幸せに対する価値観が違えば、未来に対する希望も異なっている。だが、ソプラノ歌手による歌の力をきっかけにこれほどまで交流できるのだろうか。とても興味深く描かれている。

 

お互いの利害関係は決して交わらない。ソプラノ歌手というある種のセレブリティーを利用している時点で明らかだ。だが、同じ空間を長く共有し、自然と交流する心が芽生えてくると、立場の違う人間同士でも不思議な絆が生まれていく。だからこそ、本作のクライマックスにおける展開は切なさを感じざるを得ない。残酷さを描くことだけがテロ関連の映画ではないと思い知らされた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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