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いつもと違う演技に挑戦しようと踏み込んだ…!『ガーデンアパート』竹下かおりさんを迎え舞台挨拶開催!

2019年7月13日

金銭面で問題を抱える若い男女カップルと、酒に溺れた中年女性の姿を描く『ガーデンアパート』が大阪・十三のシアターセブンでも7月13日(土)より公開。初日には、竹下かおりさんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ガーデンアパート』は、UMMMI.の名で国内外の映像祭でビデオ作品を発表してきた石原海監督の長編デビュー作で、若いカップルと狂気に満ちた中年女性が過ごす一夜を描き、ロッテルダム国際映画祭「輝く未来」部門に選出されたガールズムービー。ひかりは同棲中の恋人・太郎との子どもを妊娠するが、2人ともバイト暮らしを続けていたため金銭的な問題に直面する。太郎はひかりに内緒で叔母の京子を頼るが、彼女は夫を亡くして以来アルコールに溺れ、奇妙な言動を繰り返していた。そんな京子のもとに、太郎に内緒でひかりがやって来て…

 

上映後、竹下かおりさんが登壇。若き監督が放つ才能の魅力を感じさせる舞台挨拶となった。

 

現在では、誰かのお母さん役を演じることが多くなった竹下さんは、異なる役柄を演じることを近年は願っていた。本作についてオーディションサイトで知り、アル中を抱えるアラフィフの女性で青年を囲んでいる役と聞き、絶対に演じたいと望んでいく。「いつもの自分とは違う挑戦として踏み込んだ演技が出来る」と感じ「同世代の女優が京子を演じている姿を想像したら、絶対に彼女達にはやらせたくない。私がやるんだ」とオーディションに挑んだ。石原監督がイメージ写真を掲載しており、髪型や服装をその通りにしてオーディションに参加し、見事に合格。共演した世界役の石田清志郎さんには「プレッシャーに負けました」と云われたことを告白した。

 

演じた京子について、竹下さんは今までやったことがない役だったので「日常を離れないと無理だな」と思い、日常生活で良いと思って実践していることをを全て辞めていく。ヨガや食事へのこだわりを止め、昼間からお酒を呑むにようになった。だが、共演した”ガールズ達”は役者ではなく、共同生活をしながらアートやファッションを手掛けている集団で、劇中の雰囲気のままだった。これでは太刀打ちできないと思い「誰よりも呑んで潰れて気絶して、”京子さんについていきます”という雰囲気をつくっていった」と自らのイメージを変貌させ、結果的に、支えてくれる存在になっていく。まさに、劇中のような関係が出来上がり、現在でも交流があり慕ってくれている。

 

石原監督の初監督作品となった本作の現場では、全てにおいて大変な状況に遭遇した。石原監督が学生の頃に「イケてるおばさんを主人公にしたらどんな話が出来るだろう」と想像した時から本作は始まっている。石原監督は芸大に進学したが、映画学科ではなく、先端藝術学科で映像とは全く関係ない分野を手掛けていた。つまり、映画を撮るにあたり、様々なスタッフが関わり日々の撮影スケジュールに則って撮影していることを知らない。撮りたいシーンを思いつきで撮るスタイルを採っており、京子のモデルとなった人物と結びついて、台詞が出来上がり台本は後から完成していく。竹下さんは、石原監督について「ビジュアルの完成度が強い人で、映像ありき」と受けとめる。だが「現実にとらわれていない。リアルに拘らず、頭の中を再現しようとしている感覚がおもしろい」と新しい才能ある監督を称えていた。

 

映画『ガーデンアパート』は、今後、神戸・元町の元町映画館で公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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