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大富豪レオニデスが毒殺された事件の容疑者となった一族の姿を描く『アガサ・クリスティー ねじれた家』がいよいよ劇場公開!

2019年4月17日

(C)2017 Crooked House Productions Ltd.

 

巨万の富を築いた大富豪が毒殺され、容疑者となった一族が欲望と嫉妬をむき出しにぶつかり合う様子を描く『アガサ・クリスティー ねじれた家』が、4月19日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『アガサ・クリスティー ねじれた家』は、ミステリーの女王アガサ・クリスティが1949年に発表した「ねじれた家」を映画化。無一文から巨万の富を築いた大富豪レオニデスが毒殺され、私立探偵のチャールズは、レオニデスの孫娘で元恋人のソフィアから捜査を依頼される。レオニデスの屋敷には3世代にわたる一族が勢ぞろいしており、巨額の遺産をめぐって疑惑や嫉妬、憎悪が入り乱れていた。捜査を開始したチャールズは、ソフィアを含めた一族全員に殺害の動機があることに気づく。そして真相に近づいていく中で、第2の殺人が起こり……

 

本作は、一族を仕切る大伯母イーディス役に『天才作家の妻 40年目の真実』ほかで7度のアカデミー賞ノミネートのグレン・クローズ、私立探偵チャールズ役は同作でクローズと共演しているマックス・アイアンズが演じた。監督に『サラの鍵』『ダーク・プレイス』のジル・パケ=ブレネール、脚本に群像劇『ゴスフォード・パーク』でアカデミー脚本賞を受賞しているジュリアン・フェロウズが担う。

(C)2017 Crooked House Productions Ltd.

 

映画『アガサ・クリスティー ねじれた家』は、4月19日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸をはじめ、全国の劇場で公開。

一筋縄ではいかない歪んだ一族の物語 放り込まれるように調査をお願いされる探偵ヘイワード。聞き取りとして、ひとりひとりに事情を訊ねる。だが、聞けば聞くほど誰もが怪しくなっていくのがミステリーの醍醐味。さぁ容疑者しかいない事件の幕開けだ。

 

心のねじれた人達とのコミュニケーションはヘイワードをおちょくってすらいて観る人を苛立たせてくれる。出てくるキャラクターみんなの性格が様々に悪く、私はこの中の誰とも分かり合えないだろうと感じた。親族が揃う食事のシーンは圧巻。次から次へとナイフのような言葉が飛び交い、憎悪が憎悪を呼ぶ。保身へまわり、プライドの欠けらも無い会話には自分と全く関係が無いのに冷や汗が流れてくる。そこまで言ってしまえるのか。

 

キャストが多数登場すればするほど話は複雑になり、それだけ説明することもむつかしくなるが、一人一人のキャラクター性が立ち、最後まで観る人の思考を撹乱させる上手さはアガサ・クリスティの十八番だと感じた。 しかし主人公ヘイワードが良くも悪くも立っていなかったため、あまり印象に残らない気もした。本作の見せ場は家族の渦巻く相関図であるからある意味それで良いかもしれない。

from君山

 

綺麗な屋敷に殺人事件という要素を混ぜたミステリー作品という物好きにはたまらない仕上がりになっているが、本作の華やかさは屋敷だけじゃない。

 

完全に個人の妄想の域を出ないのだけれども、この映画はとある色が頻繁に使われている。靴、服、髪と…怪しい人間にはその色が散りばめられている。この色がもしも殺人の動機の暗喩とするならば..とある人物が相続人になった時も上下その色の服を身にまとっていた。その色のアイテムなどが動機の暗喩とした時、結果的に見るとみんなが殺人の動機を知らず知らずのうちに内に秘めていたことを意味するのではないか?誰もが犯人になりえた状況だとするならラストシーンに深みが増す。

 

とあるシーンで照明が切り替わり、部屋全体が先ほど述べた色で染められた時、〝小物やアイテムなどを身につけて殺人の動機を内に秘めている〟という、これまでの単純な暗喩ではなく、体外に色が漏れ出したことによる〝殺人という直接的な行動〟を示唆していたのかと感じた。そういったことを踏まえると、単純なミステリー作品ではなく、この作品自体がひとつの絵画でも観ているかのような、とても味わい深い芸術的な映画である。

fromねむひら

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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