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フレデリック・ワイズマン40作目!ニューヨーク・ジャクソンハイツのあらゆる場所や人にカメラを向けた『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』がいよいよ関西の劇場で公開!

2019年1月25日

(C)2015 Moulins Films LLC All Rights Reserved

 

多様なルーツを持つ移民とその子孫たちが暮らすニューヨーク・クイーンズのジャクソンハイツ地区にカメラを持ち込み、エキゾチックでユニークなこの町のあらゆる側面を独自の観察眼で捉えていく『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』が、1月26日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』は、巨匠フレデリック・ワイズマンの40作目となるドキュメンタリー作品で、さまざまなマイノリティが集まるニューヨークの下町ジャクソンハイツにカメラを向けた。ニューヨーク市クイーンズ区の北西に位置するジャクソンハイツには、世界中からの移民とその子孫が暮らし、167の言語が話されている。教会、モスク、シナゴーグといった宗教施設、レストラン、コインランドリーなど、町に点在するさまざまな場所。この町に生きる地域ボランティア、セクシャル・マイノリティ、不法滞在者、再開発の波にのまれる商店主たち。町に生きる人びとの語らいや踊り、祈りなど、ワイズマンの視点によって切り取られた場所や人びとからジャクソンハイツという「町」が描かれる…

 

約半世紀のキャリアを誇り、ドキュメンタリー映画の分野で揺るぎない評価を得ている巨匠であるフレデリック・ワイズマン監督の本作は、第81回ニューヨーク映画批評家協会賞でノンフィクション映画賞を受賞。日本国内では第28回東京国際映画祭にて上映された。なお、ワイズマン監督は本作を発表した翌年にアカデミー賞名誉賞を授与されている。

 

映画『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』は、1月26日(土)より、大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、2月2日(土)より、神戸・新開地の神戸アートビレッジセンター、2月16日(土)より、京都・出町柳の出町座でも公開予定。

ただひたすら、市井の人々の生活を映し出し、語り続けるドキュメンタリー。上映時間が3時間と聞くと、途方もなく長く思ってしまうが、観始めるとゆるゆるとしていて楽しくて、なんなら6時間でも観ていられる。

 

ニューヨークのクイーンズは、高層ビルが建ち並ぶ都会のマンハッタンとは違い、下町の風情があるエリア。JFK空港と並ぶニューヨークの2大空港の一つであるラガーディア空港のすぐ近く、スパイダーマンことピーター・パーカーが育った地域でもある。ジャクソンハイツは、そのクイーンズにある街の名前。167ヶ国語が話される街。ゲイであることを理由に人が殺された街。典型的な白人富裕層、古い言い方だとWASPの少ない街。そんな下町の人々と、街の風景そのものを切り取った様子は見ごたえがある。

 

ダイバーシティ(多様性)が突出している街だが偏りもあり、少なくとも、インタビューされる人々はヒスパニック系が多い。逆にアジア系は少なく、日本人は皆無だった。様々な会話が映し出される中で、特に何度も取り上げられるのは、所謂LGBTQにまつわる偏見に関する話と、大手資本や白人経営者による労働者への待遇の悪さ。環境が少しずつだが変化しつつある絶好のタイミングで取材されたドキュメンタリーとなっている。

 

会話量が大変多い内容だが、合間に挿入される街中の様子をただ映しただけの場面がどれも魅力的で、いつまでも眺めていたい。じっくりと鑑賞していたい作品だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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