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ファスビンダーの日本劇場未公開作品『13回の新月のある年に』『第三世代』がいよいよ関西の劇場で公開!

2019年1月25日

(C)2015 STUDIOCANAL GmbH. All Rights reserved.

 

ニュージャーマンシネマを牽引したライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督が1970年代終盤に発表し、日本で劇場未公開だった作品『』『』が、1月26日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『13回の新月のある年に』は、ファスビンダー監督が、自身の伴侶アルミン・マイヤーの自死をきっかけに手がけた作品。原案・製作・監督・脚本・撮影・美術・編集の全てをファスビンダー監督自らが担当し、性的マイノリティの主人公の最期の数日間をセンセーショナルかつエモーショナルに描き出す。男性から女性に性転換したエルビラ。過去に女性と結婚しており娘もいるが、男装して男娼を買うような曖昧な性を生きていた。そんなある日、一緒に暮らす男クリストフが家を出て行ってしまう。絶望したエルビラは仲の良い娼婦ツォラに支えられ、育ての親シスター・グルドンのもとを訪れる。妻や娘にも会い過去を振り返ろうとするエルビラだったが、昔の自分に戻れないという現実を突きつけられるだけだった。さらにエルビラは、自分が性転換するきっかけとなった男アントンに会いに行くが……。

(C)2015 STUDIOCANAL GmbH. All Rights reserved.

 

『シナのルーレット』『マリア・ブラウンの結婚』などファスビンダー監督作の常連俳優であるフォルカー・シュペングラーが主人公を熱演した。

 

映画『第三世代』は、ファスビンダー監督が、意志と表象としての世界で目先のスリルだけを追い求める「第三世代」のテロリストたちを描いた作品。1970年代末のベルリン。コンピューター販売の不振に悩む企業家P・J・ルーツは、街でテロ事件が起これば警察が捜査用にコンピューターを導入するのではないかと考えはじめる。彼の秘書ズザンネは地下組織のメンバーで、仲間とともにテロを企てていた。思想や理念を持たず、ただ目先のスリルだけを追求するテロリストたちは、企業や権力に利用され、その扇動に乗って誘拐事件を起こす。

(C)2015 STUDIOCANAL GmbH. All Rights reserved.

 

『アルファヴィル』のエディ・コンスタンティーヌ、『マリア・ブラウンの結婚』のハンナ・シグラ、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』のビュル・オジエが出演した。

 

 

映画『13回の新月のある年に』『第三世代』は、1月26日(土)より、京都・出町柳の出町座、2月9日(土)より、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

『13回の新月のある年に』

「7年おきに昇る太陰暦は感情型の人間には危険な年だ…」冒頭からファンタジーなのかと思い鑑賞していたらとんでもなかった。

 

舞台は1970年代のフランクフルト。最近目にすることの多くなったLGBT映画と思っていたら違う。どうやらエルヴィラは男性から女性の身体へと性転換したけれど、心まで女性ではない。嘗ての奥さんが出てくるので過去には女性との恋愛もあった。だが、現在は男性と暮らしていたが、愛想を尽かされた…と、この映画は説明がなく、見ている人が分かるか分からないか関係無く次々に進んでいく。ドアの隙間から撮ったシーンも含め、彼らの人生をあくまでも第三者の視点で眺めていると感じる。

 

エルヴィラが性転換をした理由はある男の為だと途中で明かされるが、その男アントンと再会するシーンが個人的に一番辛かった。部屋に複数いる男性の中で誰がアントンか不明で、自分の人生を変えた男に決死の覚悟で会いに来ても、どの男か分からない。エルヴィラの気持ちを考えると悔しくて恥ずかしくて観てるこちらが泣きそうだった。結局、昔の男にも女友達にも家族にも、誰にもどこにも居場所を見つけられないままエルヴィラはラストシーンを迎える。娘が駆け寄るシーンを見てエルヴィラはちゃんと愛されてたんだと思った。だが、エルヴィラ自身は愛を見出せなかったし、生きる糧にも出来ず悲しい。エルヴィラの弱さであり、人間誰もが抱えている弱さでもある。エルヴィラは感情型の人間だったということか…

fromマツコ

 

『第三世代』

難解さは『13回目の新年のある月に』よりも高いと感じる。フォルカー・シュペングラーが再度出演していることに本編半分過ぎるまで気が付かなく、彼の性を超える演技の幅に驚いた。 鼓動とタイポグラフィの点滅にどんどん惹き込まれていくタイトルロールが、実験的かつあまりにも格好良くて痺れる。

 

暴力、ドラッグ、テロ、裏切り、強盗、窃盗なんでもありの第三世代なテロリスト達はテロ行為さえも「趣味です」とあっさり言い切るような面持ちだ。やっていることは滅茶苦茶だが、えも言われぬ格好良さを感じてしまう。 ラジオの音がやがて雑音になり、今度は先程まで雑音だった音が会話になる。そして、また雑音がラジオになる。音(ダイアローグ)の聴かせ方がユニークで大胆。最後のシーンのカメラ目線で不敵に笑う初老が瞼の裏に焼き付いて離れない。

from君山

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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