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平成の意地を込め、新しい時代を強く生きていかねば…!『宮本から君へ』池松壮亮さんに聞く!

2019年9月24日

文具メーカーに勤務する若き営業マンが、成長していく姿を恋物語や壮絶な決闘シーンを交えて描く『宮本から君へ』が9月27日(金)より全国の劇場で公開される。今回、池松壮亮さんにインタビューを行った。

 

映画『宮本から君へ』は、テレビドラマ化もされた新井英樹の人気漫画を池松壮亮さん主演、 ヒロイン役を蒼井優さんのキャストで実写映画化。超不器用人間ながら誰よりも正義感の強い宮本浩は、文具メーカーで営業マンとして働いていた。会社の先輩である神保の仕事仲間、中野靖子と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅に招かれるが、そこに靖子の元彼である裕二がやってくる。靖子は裕二を拒むために宮本と寝たことを伝えるが、激怒した裕二は靖子に手を挙げてしまう。そんな裕二に、宮本は「この女は俺が守る」と言い放ったことをきっかけに、宮本と靖子は心から結ばれるが……
テレビドラマ版から引き続き、真利子哲也監督がメガホンを取り、宮本役を池松壮亮さん、靖子役を蒼井優さん、神保役を松山ケンイチさんらドラマ版のキャストが顔をそろえるほか、裕二役を井浦新さんが演じる。

 

2012年、池松さんが22歳の時に、1ヶ月の間に異なる2人の知人に漫画『』を薦められ、読んでみることに。当時から作品の新鮮さは衝撃的で、今でも読後感は変わらない。ずっと力を与えてくれる作品として「自分の生き方を問われるバイブルとなっている。豪華本4巻を7年間ずっと目に見える場所に置いている」とお守りのような存在となっている。初めて読んだ当時のマネージャーである宮本さんに感想を話すと驚かれた。実は、まさにその時、映画化に向けて出演のオファーが来ていたのである。

 

宮本浩という人物について「本来あるべき正しさや喜びや怒りを肩代わりして表現してくれている」と22歳当時の池松さんは感じた。「僕自身は、自分の心とは裏腹に、もっとスマートに社会に順応しようとしてきたところがある。大多数に靡いたり、正しさに目を背けたり、時には相手の正論を受け付けなかったり」と心に蓋をしてきた自分を顧みながら「そういうことを宮本は絶対にしない。どれだけ傷ついても正論と自分の身一つで明日に向かっていく。そんな宮本に自分が出来ないことを託したような感覚があった」と、皆の思いを代弁してくれるヒーロー像たる由縁を語る。

 

今回、宮本を演じる上で「原作の持つスカッとした読後感と物語によって奮い立つ自分も強く生きていかねばという気持ちを映画の2時間という集約された時間の中で伝えなければいけなかった」と、これまでに無い苦労を感じた。だが「生きてて良かったと思える瞬間を宮本と共に僕の体を通して味わうことが出来た」と感じており、俳優として「こういうことのために宮本は頑張っているんだな」と達成感を味わっていく。原作は1990年から1994年にかけて書かれており「昭和の良い部分も悪い部分も含めた残骸を受けて、平成に新井先生が書いています。平成の最後に演じるとしたら、昭和と平成を受け継いだものを令和元年に発表しないといけない。原作には昭和の意地が入っているし、映画には平成の意地を皆が最後に取り戻せない一瞬を映画に刻み込みたい」といつも以上の情熱を撮影現場では感じた。もし、原作を愛している方から批判されたとしても「『宮本から君へ』が好きだという思いだけで対抗できる」と自信をのぞかせた。「これから非人道的な出来事が人間を抑圧してくる時代が来たとしても、平成の意地を込め、新しい時代に映画というプレゼントを届けられたら」と、真利子監督をはじめプロデューサー・スタッフ全員がこの作品に願いを託したと語った。

 

なお、テレビドラマも含め、宮本の食事シーンは印象的だ。喧嘩する前も食べ、負けるとやけ食いしてしまう。原作にも食べるシーンは多く「誰よりも生きていることを実感しようとしている。生きようとする力が強いからこそ、人づてに聞いた人間の価値や人生の素晴らしさが宮本には通用しない」と池松さんは評する。「自分で体感しないと分からない人間。自分で傷だらけになって勝ち得た一瞬しか信じられない宮本の説得力はとてつもないものがある」と感じており、実写に起こした時に、出演者の体と心を通してお客さんに届けられる映画の素晴らしさを体感した。

 

ヒロインの靖子を演じた蒼井優さんについて、池松さんは「僕よりもトップギアに入るのが早いので、より疲れたんじゃないでしょうか」と語る。本作では、ある現実が目の前に立ちはだかり「女が叫んで男が叫ばされている。25年以上前の原作ですが、現代に通ずる発狂しがいのある作品になっている」と捉えており「叫ぶ代表として先頭に蒼井さんがいて下さると、これ以上ない力が宿る。女のプライド対男のプライドで最後に互いにぶつけ合った上で、最後には肩を組まなきゃいけないわけですから、蒼井さんは僕なんかよりキツかっただろうな」と労った。「起こってしまったことはどうしようもないし変わらない。宮本は無い頭で考えた結果、21世紀に有るまじき喧嘩に勝つ方法を考えることに行きつく」と説くが「喧嘩には勝つが、靖子に対しては『靖子に褒めてもらいたい』としか云えず、何にも解決出来たわけではない。それでも宮本は、靖子の心の傷を半分でも取り除けたんじゃないか。そこに対する喜びと罪の意識を背負っていかなければならない」と受けとめている。「宮本は靖子の痛みを背負う、そして生きていく」と解説した。

 

ドラマ版の主題歌、宮本浩次さんによる「Easy Go」について「とてつもない力を貰った。これ以上の楽曲はない」と池松さんは感じていた。だが、映画版の主題歌として、同じく宮本浩次さんの「Do you remember?」を聞き「遥かに凌駕する曲が出来上がった」と驚いている。今回の楽曲には回想が入っており「宮本さんは『過去と未来しか俺は生きないぞ』と云ってきた。今回、今と回想を入れてきたことで『とんでもなく新しい時代に向かい、全て俺が引き受ける』と歌っている」と絶賛。「夫々が平成を生きてきた。平成史をぶつけ合った結果、夫々の叫びが共鳴し、集団制作の理想的な形を感じられた」と映画と同様に主題歌を大いに気に入っている。

 

映画『宮本から君へ』は、9月27日(金)より全国の劇場で公開。

熱い!なんてもんじゃない…

 

宮本が殴って殴られて殴られて殴られて殴って、靖子が叫んで泣いて笑って泣いて叫んで泣いて叫んで笑ってた。どんな嵐よりも激しい彼らの感情に引っ張られて、涙が止まらない。泣きすぎて、何故泣いているかも分からない。宮本の情けない男気に腹が立っていたはずなのに、次第に化け物じみてきて、震えが止まらなかった。最後には抱きしめるしかない。蒼井優さんの演技にはいつも目を見張るが、今回は更に限界突破していた。周囲のキャストも最高の布陣。流石としか言わざるを得ない。

 

あまりに恐ろしくて、観終えた頃には満身創痍だった。本作を観る人達は心して観てほしい。一秒たりも目を逸らすな!

fromナカオカ

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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