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男女の友情とレンタル友達を合わせたら化学反応が起きる…『月極オトコトモダチ』穐山茉由監督を迎え舞台挨拶開催!

2019年6月21日

“レンタルの男友達“というモチーフを通じて、男女の恋愛と友情の狭間を繊細に描き出す『月極オトコトモダチ』が、6月21日(金)より関西の劇場でも公開。初日には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に穐山茉由監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『月極オトコトモダチ』は、大人の男女間に友情は存在するのかというテーマのもと、現役OLで映画監督という異色の経歴をもつ穐山茉由監督が、男女の友情の揺らぎを描いた長編デビュー作。気鋭の映像作家とミュージシャンがコラボレーションした作品を輩出し、若手映画監督の登竜門にもなっている「MOOSIC LAB」2018年度長編部門でグランプリと最優秀男優賞、女優賞、ミュージシャン賞の4冠に輝いたほか、第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門にも出品された。WEBマガジン編集者の望月那沙は、あるきっかけで「男女関係にならないスイッチ」を持つと語る柳瀬草太と出会う。草太は「レンタル友だち」を生業にしており、那沙は草太をレンタルし、ある検証を試みようとする。一方、那沙のルームメイトの珠希は、音楽を通じて草太と距離を縮めていくが…
NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」「わろてんか」などで知られる徳永えりさんが主人公のアラサー編集者を演じ、演劇界での活躍めざましい橋本淳さんや芦那すみれさんらが共演する。

 

上映後、穐山茉由監督が登壇。大阪で劇場上映出来る喜びを表した和やかな舞台挨拶となった。

 

2018年のMOOSIC LABに向けて作られて本作は、音楽を絡める以外は自由なルールで、穐山監督が何をやりたいかと考えた時に、レンタル友達の記事を偶々インターネット上で見たことがきっかけ。「SNSで友達が沢山いるように見せるために友達を雇っている人がいるようで、興味をひかれた。また、友達という存在に関心があり、友達になるかどうかの境界線が不思議だった。それを生業にしている人はおもしろい」と興味津々。「それらと音楽を絡めてみたらおもしろい。男女の友情は誰もが夫々に答えを持っていて、それらを合わせたら化学反応が起きる予感がする」とワクワクしながら、書き進めていった。

 

徳永えりさんと橋本淳さんは本作で初対面となるキャスティング。撮影前のリハーサルが出来ない中で「2人がどうやって関係性を築いていけるか気になりながら、撮影に挑んだ。思いのほか2人の演技の息が合っていて救われた」と一安心。「ストーリーの展開毎に撮っていったので、画に表れている。徳永さんが座長のごとく皆をまとめてくれた」と信頼を寄せている。また、最初にアーティストを決めるにあたり「芦那すみれ、という女優が気になっており、調べていく中でBOMIという名前で音楽活動をしていることに気づき、ピッタリだなと思って、堂々と劇中でも歌ってもらいました」と明かした。最初に登場するシーンでは歌っており「現場で出来上がった楽曲。撮影準備中の隙間時間に本人が弾いて出来上がった」と驚いている。なお、橋本淳さんは、あくまでミュージシャンではなく役者であるため「弾いたりDTMの所作については本人含め心配していた」と不安だったが「入江陽さんと一緒に音楽リハをやりながら、直ぐに完コピしてしまった。とても器用な方で、柳瀬っぽい」と役になぞらえて評していく。

 

穐山監督は普段は会社で働きながら映画を作っている。本作は、夏休み1週間と前後の土日含め9日間で撮った映画だと明かし、皆が忙しい中で制作していったことを振り返った。会社ではファッションブランドにおけるPRの仕事をしており、本作では色彩に拘っている。「服の色にも意味を持たせて作っている。柳瀬は赤を与える設定にしており、最初のバーで出会うシーンではチェリーをあげて、赤いストーリーが始まり、リンゴだったりスタンプの赤だったり、段々と積み重なっていくイメージがある。その後の那沙の服が赤になる」と解説し、照明も含め、色で表現できるものには意味を込めていった。

 

また、主人公のキャラクターを作っていく上で、巨大建造物を眺めることが好きな自身の趣味を主人公に反映していく。男友達と出かける時に何処に行くかを考えていき「雀荘や釣り堀を考えたが、固定概念に縛られている」と感じた。「那沙なりのパーソナルな場所で、珠希がついて来なさそうなマニアックな趣味があったらいいな」と思い、世田谷区にある駒沢給水塔を1人で観に行った時の寂しさを思い出す。レンタル友達なら気兼ねなく誘える、と気づき「映画的にシンボリックで、偶々橋本さんの背が高くスマートなので似ていると気がつきリンクさせた」と具現化していった。

 

最後に、穐山監督は「自主映画として作られた作品が立派な映画館で上映して頂くことを凄く喜んでいます。皆さんがどのように観て頂いたか含め様々な感想を伝えてもらえたら。この映画が心に引っかかってくれると嬉しいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『月極オトコトモダチ』は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で上映中。6月28日(金)より京都・桂川のイオンシネマ京都桂川、7月6日(土)より京都・出町柳の出町座、神戸・元町の元町映画館で公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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