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難くならず朗らかなSEXエンターテインメントを…!『娼年』ティーチイン付き舞台挨拶開催!

2018年4月13日

石田衣良さんの恋愛小説を基に2016年に三浦大輔監督が演出し松坂桃李さん主演で舞台化され話題を呼んだ作品を実写化した映画『娼年』が全国の劇場で公開中。4月13日(金)には、出演の冨手麻妙さんと猪塚健太さん、三浦大輔監督を迎えてティーチイン付き舞台挨拶が開催された。

 

映画『娼年』は、「娼夫」として生きる男を主人公に性の極限を描いた石田衣良の同名小説を、2015年に上演した舞台版が大きな反響を呼んだ監督・三浦大輔×主演・松坂桃李のコンビで映画化。大学での生活も退屈し、バイトに明け暮れ無気力な毎日を送っているリョウ。ホストクラブで働く中学の同級生シンヤがリョウのバイト先のバーに連れてきたホストクラブの客、御堂静香。彼女は秘密の会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナーで、恋愛や女性に興味がないというリョウに「情熱の試験」を受けさせ、リョウは静香の店で働くこととなる。「娼夫」という仕事に最初は戸惑うリョウだったが、女性たちひとりひとりが秘めている欲望の奥深さに気づき、そこにやりがいを見つけていく。リョウは彼を買った女性たちの欲望を引き出し、そして彼女たちは自分自身を解放していった…

 

4月6日の公開以降、連日多くのお客さんが観に来ている本作。今回はティーチインの機会があり大入りとなった。本作上映後、出演の冨手麻妙さんと猪塚健太さん、三浦大輔監督が登壇。それぞれ感謝を込めた挨拶をすると共に、猪塚さんが「難波から出張のお願いが来たよということで…クラブパッションからやって参りました」と演じた娼夫ならではのご挨拶。

 

本作は、公開後の反響が多く、SNS等で女性からの口コミが多く挙がっている。三浦監督は「賛否両論あり、様々な思いがありますが、映画を通して話すきっかけになれば」と嬉しさを表す。冨手さんは「私も毎日SNSでエゴサーチをして、いいね!を付けている。女性からの反響が良く、お母さんと二人で観に行った方がけっこういた」と発見。演じた役について「母親役の真飛聖さんとのつながりが作品では大事。親子の繋がりを映画から感じられるので、女性は子宮を感じる」と述べ、自身の母親から「おなかの中に戻ったような気持ちになる映画だよ」と言われたことも明かした。これを受け、猪塚さんは「素晴らしいお母さんですね」とたたえるも、三浦監督は「そんな高尚な映画ですかねぇ」と応える。

 

猪塚さんは、共演した松坂桃李さんについて「現場では、ホテルに泊まって自分の役を磨いていた。余計なことはせず、些細なことを話す程度」と振り返った。絡みのシーンもあったが「丸一日やっていたが、地獄のような大変さがありながらもアットホームな雰囲気だった」と懐かしむ。そんな現場を冨手さんは「皆が裸でバスローブをまとっていたが、現場に登場する姿がプロの方のようだった」と表す。また、冨手さんは、耳が聞こえず話せない難しい役を演じたが「演技指導の方と早い段階から準備していた。自分に溶け込むようにリハーサルを行った」と振り返る。監督からは「優しい存在でいてくれ。優しく見えなかったら作品が崩壊する」と言われプレッシャーがあったが、芝居と向き合ってきた。

 

~~~ティーチイン~~~

・舞台と映画の違いについて
三浦監督:

一番大変なのは松坂君。松坂くんは「両方、地獄だった」と言っていた。芝居は継続した演技で、隠すのが大変。映像だと寄ったり引いたりするので楽だが、舞台は様々なところから見られ、継続したものを何回も上演する。映画は、1シーンを通して撮らず、1つ1つのカットを丁寧に積み重ねたいので、パート毎に視点を変えて繰り返し撮っていった。何回も繰り返し、役者にも演技を付ける必要があり苦しかった。苦しさの差は違う。

 

・原作を読んで絵コンテを書いたのか
三浦監督:

原作通りの絡みになっている。踏襲しつつ、文章表現を変換しても映像で描けないところは書いたが、感情が有効に伝わるかを充分に考えた。

~~~~~~~~~~~~

 

なお、三浦監督は、SEXに対し「本人達は必死ですが、見方を変えれば滑稽だと思う。作品を描く時に外したくない視点。男性の独りよがりなスケベ目線や、女性の独りよがりなナルシズム。行き過ぎても、俯瞰していないとSEXの描き方は真摯ではない」と捉える。だが引きの部分に笑いがある作品だと考え「引いた時のみっともなさは笑って大丈夫。あまり小難しいことを考えないで楽しんでもらえるエンターテインメントにしようと思い制作した」と伝えた。

 

最後に、冨手さんは感謝の気持ちを伝える共に「この作品は2回3回と観てもらえると、さらに笑えて泣ける映画」と太鼓判。猪塚さんも「2回目からさらに良い所を探れる。三浦監督が言うSEXエンターテインメントという言葉が大好き。18禁ということでハードルが上がっている方もいると思うので、皆さんが広めてもらえれば」とお願いする。三浦監督からは「この映画は様々な人に観てほしい。R18作品でこういうテーマですが、観たい人だけ観ればいい映画ではない。SEXエンターテインメントと言っていますが、出来るだけ多くの人に、普段こういう作品に触れない人にまで届いたらおもしろい」と期待。さらに「『娼年』がブームになり、皆が映画館に押し掛ける状況が出来ると、R18作品がこんなになっている状況がつくれるとおもしろい。性に対して朗らかな良い世の中になるんじゃないかな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『娼年』は、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都のTOHOシネマズ二条、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSほか全国公開中。

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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