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「日中国交正常化45周年記念 中国映画祭『電影2018』」オープニングセレモニー開催!

2018年3月10日

日中国交正常化45周年記念 中国映画祭『電影2018』」が、日本国内3都市で開催。大阪では、3月10日(土)より阪急うめだホール梅田ブルク7で9作品を上映すると共に、オープニングセレモニーが開催された。

 

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、2017 年に日中両国の国交正常化から45 周年を迎えたことを記念し、公益財団法人ユニジャパン(東京国際映画祭事務局)と上海国際影視節中心(上海国際映画祭事務局)が共同で映画を通じた交流事業を実施。2017年12月に、中国の3都市で日本映画の上映会が開催された。

 

今回、3月に「日中国交正常化45周年記念 中国映画祭『電影2018』」を東京・大阪・愛知で開催。大阪では、3月10日(土)より開催し、全て日本初公開の9作品を上映。阪急うめだホールでのオープニング作品はフォン・シャオガン監督最新作『芳華-Youth-』。上映後には、オープニングセレモニーを開催した。

 

映画祭は、最新の中国映画を鑑賞でき、中国映画好きのお客さんが会場に集う機会となる。今回は、『無言の激昂』の忻鈺坤(シン・ユークン)監督と温素純(ウェン・スーチュン)プロデューサー、『追跡』の李霄峰(リー・シャオフォン)監督と出演の辛鵬(シン・ポン)さんが登壇。

 

映画『無言の激昂』は、中国北方の寒村を舞台に、失踪した息子を探す鉱山労働者の辿り着いた真実を描く。寒くてどんよりとした中国北方の冬、鉱山労働者である張保民(チャン・バオミン)の息子が行方不明になってしまった。張はある事故により話すことができない。彼はわが子を捜し求めるうちに、この失踪事件が、違法採掘をし続ける鉱山オーナーと深く関わっていることを突き止める。破壊された環境、消えた子供、汚れた心、荒野で声なき怒りが広がっている…

 

忻鈺坤(シン・ユークン)監督は、上映作品に選んで頂いたことを感謝し「私達のような若い監督に注目して頂き、多くの作品を映画祭で紹介頂いて嬉しく思っています。映画は世界の国境を越え、どこでも様々な人の心を結びつけられる芸術。映画を通じ、さらに様々な人たちの中国に対する理解が進んでいってほしい」と願った。温素純(ウェン・スーチュン)プロデューサーは、来阪できたことを感謝し「実は、私は2回目の来阪。大阪という街が大好きです。パワー漲る明るい都市であり、自由な街だなと思います」と大阪の印象を伝える。『無言の激昂』について「4月4日より中国での上映が決まりました。皆さんは中国本土より先にご覧頂くことになります」と明かす。

 

今作は、中国北部で真冬に撮影しており、忻監督は「中国東北部における寒さのリアリティを映画で伝えたかった。役者達にも寒さを実感した演技を披露してほしかった。私の表現したいことをリアリティを通じて物語っていきたい」と理由を述べる。なお、監督とプロデューサーは夫婦であることから、温プロデューサーは「私と監督は映画が仲人のようなもの。普段の生活では仲の良いパートナーだが、仕事ではお互いに切磋琢磨し助け合う協力体制を執っています。映画制作では、忻監督は私にとっては先生。先生の後に付いて、私はこの道を歩んできています」と真摯に話す。今後について「監督と映画の美しさや素晴らしさと感じ取れる良い作品を撮り続けていきたい」と伝えた。

 

映画『追跡』は、医学生と製鉄所で働く青年による完全犯罪とその後を描く。医学部の学生と製鉄所で働いている青年が1冊の本を通じて友達になった。同じく生活に恨みを持っている2人は共謀し、殺人を犯してしまう。犯行後、二度と会わないことを約束して2人は別れ、事件の手掛かりを追う若い警察官は彼らを捕まえることができなかった。10年後、医学部学生は一人前の医者に成長し、幸せな家庭を築いていた。一方で、良心の呵責に苛まれた製鉄所の青年は約束を破り、医者を見つけ出そうとする。ついに再会した2人は贖罪をするのか、それとも壊滅への道を選ぶのか…

 

李霄峰(リー・シャオフォン)監督にとって大阪は初めてだったが「綺麗な街です」と讃える。『追跡』は昨年完成したばかりの作品で中国内でも公開が決まっていないが「まぁ、いいか。映画を撮ることは非常に幸せなことです。皆さんも幸せを感じ取ってください」とにこやかだ。辛鵬(シン・ポン)さんは「私は映画を熱愛しています。日本は沢山の素晴らしい映画を作り出している国です。映画祭に来て、先輩や同僚の皆さんに映画人として交流でき光栄に思います」と熱い想いを伝える。中国について「映画を通して、中国への理解を深めてください。中国に訪れてください」と歓迎を約束した。

 

今作は多彩な色遣いが印象に残る作品だが、李監督は「我々が映画を撮る時、どの色も自由自在に様々なストーリーやテーマを表現できると思っています。この映画では色の表現方法は制限を設けておりません。一つの方法として赤を用いたが、結果的に赤が印象的に残りました」と解説する。李監督について、辛さんは「真面目で厳しい方だが、僕と同じように映画を熱愛している」と絶賛。辛さんが学校で演劇を学んでいた頃に李監督が映画界に呼んでくれたことを振り返り「映画における演技とは何か。それらを含め、映画に関する様々なことを教えてもらいました」と感謝している。お客さんに向けて「中国映画への理解を深めてください。僕自身もこれから沢山の日本映画を観ようと思います」と伝えた。

 

大阪での「日中国交正常化45周年記念 中国映画祭『電影2018』」は、3月11日(日)と3月12日(月)は梅田ブルク7にて各日4作品ずつ上映。3月11日(土)は『無言の激昂』『追跡』『シティ・オブ・ロック』『奇門遁甲』、3月12日(日)は『ライスフラワーの香り』『無敵名人の最強食譜』『乗風破浪~あの頃のあなたを今想う』をそれぞれ1回ずつ上映する。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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