『あったまら銭湯』大阪で1週間限定上映 初日舞台挨拶開催
2月25日(土)より大阪・十三のシアターセブンで淡路島にある実在の銭湯を舞台にしたオール淡路島ロケの映画『あったまら銭湯』が1週間限定上映されている。公開初日には大継康高監督による舞台挨拶が行われた。
『あったまら銭湯』は淡路島にある小さな銭湯「扇湯」。銭湯の番台・前田は4世代にも渡り、島の人々の様々な人間関係を見守ってきた。常連客のひとり、佐々木正信(67)は、高校生の時、ある女の子がきっかけで銭湯に行くようになり、50年たった今も通い続けている…2代目番台の前田は、佐々木正信の高校時代を見つめ、4代目番台の前田は、67歳になった佐々木正信を見つめる。これは、銭湯で繰り広げられる不器用な男の恋物語。
淡路島出身の俳優・笹野高史さんを主演に迎え、ヒロインは淡路島全域オーディションで決定した島在住の女子高生、中尾萌那さんが務める。主題歌はガガガSPの「時代はまわる」、メンバーらも重要な役で映画に登場する。
映画上映前に舞台挨拶が行われ、大継監督は、まず『あったまら銭湯』について製作の経緯から話した。大継監督は淡路島出身で、18歳まで淡路島で過ごした後、京都の大学に進学し、卒業後は映像制作の仕事をしていた。「いつか地元の淡路島で映画を撮りたい。その際には、出身高校の先輩である俳優の笹野高史さんに出演してもらいたい」と想いを持ち続けていた。
その後、自身で映像制作会社を立ち上げ仕事が落ち着いた2015年に「このタイミングで映画を撮ろう。映画を撮るだけでなく、映画祭を淡路島で開催しよう」と大継さんは一念発起。まずは、本作の脚本を書くことから始まった。
同時に、笹野さんの事務所に出演を依頼したが、当初は予算の関係で断られた。しかし、諦めないで脚本が出来る度に事務所へ台本を送り続け「第八稿の際に所属事務所から『淡路島の後輩が淡路島のためにやろうとしているのであれば出演します、と笹野が言っている』と連絡があり、出演が決まった」と大継監督は当時を振り返る。笹野さんの出演決定後は、事務所に挨拶に伺い、笹野さん演じる主人公の相手役である重要な女性に松原智恵子さん、主人公の50年前を演じる役に笹野さんの息子さんであるささの堅太さんの出演をお願いし、承諾を得た。
本作のヒロインは、淡路島でオーディションを行った。79名の応募があり、当時中学3年生の中尾萌那さんが選ばれた。「松原智恵子さんの若いころのイメージに合った。オーディションの頃から堂々としていた。」と抜擢した理由を大継監督は述べる。
また、本作の舞台となる銭湯「扇湯」の番台を演じたのは、バンド「ガガガSP」のVo.コザック前田さん。大継監督が2014年に前田さんと仕事を一緒に行った際に「いつかガガガSPの楽曲を使用した映画を撮りたい」と前田さんに話していた。大継さんは、高校生の頃からガガガSPが凄く好きでよく聴いていた。「男くさい、男の不器用さをうたった歌が多く、この世界を映画にできれば」と思っていた。「本作の主題歌である楽曲「時代は回る」に出会い、インスピレーションを受け脚本を書き始めた」と大継監督は明かす。
舞台挨拶の最後に大継監督は「本作は海の上にスクリーンを張って砂浜から観る映画祭『うみぞら映画祭』で上映するために作った作品です。所々に海を感じられるシーンがいっぱい出てきます。海辺で観ているような雰囲気を味わないながら『あったまら銭湯』を見て頂いて、まだまだ寒い冬に心を温めて頂けたら嬉しい。ゆっくり映画を楽しんでいってください。」と締めくくった。
映画『あったまら銭湯』は2月25日(土)より大阪・十三のシアターセブンで1週間限定上映。
なお、『あったまら銭湯』がシアターセブンで上映している期間中に、十三の銭湯「宝湯」(阪急「十三」駅東口より徒歩すぐ)をご利用の方は、映画入場整理券をご提示で、ラムネのサービス&タオル・バスタオルの貸出が予定されている。※月曜日はお休み。
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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