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1960年代の日本における前衛芸術運動に迫ったドキュメンタリー『日本前衛派の開拓者』がいよいよ劇場公開!

2026年11月3日

©Circle Time Studio, 2025

 

1960年代の日本の芸術革命の本質に迫るドキュメンタリー『日本前衛派の開拓者』が11月7日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『日本前衛派の開拓者』は、1960年代の日本で起きた芸術革命に焦点をあてた、イギリス・フランス合作によるドキュメンタリー。日本を代表するグラフィックデザイナーの横尾忠則さん、アニメーションやシルクスクリーン、コラージュ、絵画、実験映像などジャンルを横断する多彩な表現で活躍した田名網敬一さん、写真家の細江英公さん、森山大道さん、荒木経惟さん、川田喜久治さん、石内都さんら当事者へのインタビューをはじめ、寺山修司さんや土方巽さんの膨大なフッテージ映像・画像、さらにニューヨークのグッケンハイム美術館やロンドンのテート・モダンのキュレーターら専門家たちの証言も盛り込みながら、世界芸術史においても重要な特異点となった日本前衛芸術の本質をあぶり出す。「第2次世界大戦」「写真」「三島由紀夫」「PROVOKE」「森山大道」「荒木経惟」「緊縛」「暗黒舞踏」「パフォーマンスアート」「寺山修司」「アングラ」「横尾忠則」「田名網敬一」という13の章を通して、それぞれのジャンル、人物、団体の独自性と共通点を浮かび上がらせていく。フランス出身でロンドンを拠点に活動する映画監督アメリー・ラバレックが、6年の歳月をかけて完成させた。

 

©Circle Time Studio, 2025

 

映画『日本前衛派の開拓者』は、11月7日(土)より全国の劇場で公開。関西では、12月4日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。

日本のアバンギャルドな芸術家達がどのように誕生していったか、を伝えていく本作。1960年代当時を生きていない小生としては、その後においても広く知られるようになっていくアーティストの凄まじさを改めて思い知ってしまった。とはいえ、その中でも、田名網敬一さんの作品については、SUPERCARの「ANSWER」に用いられたアート等を通じてリアルタイムで知っている。インパクトがあり印象に残ってしまう作品であるが、何故、彼等がこのような前衛的な作品を作るに至ったのか、本作で十分に理解できるはずだ。特に、戦後日本の風景に起因していることが非常に興味深かった。終戦直後の風景には原色そのものがあり、1960年代の学生運動から何かを生み出さなければ居ても立っても居られない衝動に駆られることは理解できなくもない。それまでにあった伝統的な美の基準や写実主義といった既存のルールを壊し、新しい素材や抽象表現を取り入れていったのだ。その中には、シュールレアリスムといったものも含まれており、無形のパフォーマンスなども取り入れられていくことで、映像表現が発展していったようにすら思えてしまう。芸術と日常生活の境界線を問い直し、カウンターカルチャーとしての側面を持っており、多少なりともポップカルチャーへも影響を与えていることも見過ごせない。本作では、森山大道さんや荒木経惟さんらの写真表現、寺山修司さんのアンダーグラウンド演劇、土方巽さんらの暗黒舞踏などといった世界からの注目を集めた作品について存分に伝えられているので、見逃せない瞬間ばかりだ。なお、本作を手掛けたのは、日本人ではなく、フランス出身でロンドンを拠点に活動する映画監督である。世界にどれだけの影響を与え、こういった作品を作らせるに至ったのか、と思いを巡らせると、その凄まじさに慄くしかない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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