城内で次々と起きる怪事件を描く戦国系心理ミステリー『黒牢城』がいよいよ劇場公開!
©米澤穂信/KADOKAWA ©2026映画「黒牢城」製作委員会
戦国時代を舞台に、織田信長に反発し、籠城作戦を決行した荒木村重が、城内で発生する怪事件を囚われの軍師である黒田官兵衛と共に解決しようとする『黒牢城』が6月19日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『黒牢城』…
荒木村重は織田信長の暴虐なやり方に反発して謀反を起こし、有岡城に立てこもる。織田軍に包囲され孤立無援となった城内で、村重は血気盛んな家臣たちを抑えつつ、妻の千代保を心の支えに、城と人々を守ろうと苦心していた。そんな中、城内で少年が殺害される事件が起こり、その後も怪事件が続発する。容疑者は密室と化した城内にいる家臣や身内の誰かで、城外には敵軍、城内には裏切り者という状況に、誰もが疑心暗鬼に陥っていく。追い詰められた村重は、信長の使者として説得に訪れ牢に囚われた天才軍師の黒田官兵衛に協力を仰ぎ、事件の解決に挑む。
本作では、『スパイの妻』『クリーピー 偽りの隣人』等で国内外から高く評価されてきた黒沢清監督が自身初の時代劇に挑み、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞をダブル受賞した米澤穂信さんによるミステリー小説を映画化。城主の荒木村重を本木雅弘さん、天才軍師の黒田官兵衛を菅田将暉さん、村重の妻である千代保を吉高由里子さん、村重の腹心である荒木久左衛門を青木崇高さん、若手の家臣である乾助三郎をSnow Manの宮舘涼太さん、事件の目撃者である狙撃の名手である雑賀下針を柄本佑さん、村重の隠し刀として暗躍する郡十右衛門をオダギリジョーさんが演じる。2026年の第79回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門に出品された。

©米澤穂信/KADOKAWA ©2026映画「黒牢城」製作委員会
映画『黒牢城』は、6月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
2014年放送のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』等でも描かれた荒木村重と黒田官兵衛の関係性が、2人の”探偵”の如く描かれていく本作。原作者である米澤穂信さんは、ミステリー作品を中心にして手掛けており、最初はライトノベルとミステリーを組み合わせた作品はあったが、作品を重ねる毎におもしろさに磨きがかかり、遂には戦国小説とミステリーを掛け合わせ、歴史に絡んでもいくのだから、数々の賞を受賞していったのも納得せざるを得ない。本作では、織田信長が天下を取ろうとしている真っ只中で、2人の心に秘めた思惑をお互いに探りながら、有岡城の中で起こっていく難事件に躍起になって解決しようと翻弄されていく姿は、じつにおもしろい。荒木村重は、有岡場内を縦横無尽に駆け回り事件を解決しようと”奔走”していく。だが、黒田官兵衛は、牢屋で囚われの身でありながら、村重に求められれば、”安楽椅子探偵”の如く、推理してみせるのだから、攻防としての魅力ある画が成立している。そして、画の中には、黒沢清監督ならではの不穏な空気感が終始漂っているので、1つの事件が解決したとしても、結局は何も解決していないようにも思わせてくれるので、秀逸な出来栄えだ。歴史上の事実として、この事件の後には、何が起こっていくのか、は周知の事実であるが故に、この創作には何重にも惹き込まれてしまう。なお、舞台となった有岡城は現存せず、有岡城跡史跡公園として、石垣を復元している。その光景を知っている者としては、あの場所にこの有岡城が建立されていたのだな、と思わせてくれるシーンが多々あり、それだけでも満足してしまう出来栄えの一作である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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