カンボジア人女性漫画家が、亡くなった母が過ごした集合住宅を訪ね怪異現象に遭遇する『テネメント』が第19回大阪アジアン映画祭の特別注視部門でアジア初上映!
亡くなった母が過ごした集合住宅を訪ねたカンボジア人女性漫画家が怪異現象に遭遇し、母が去った理由を解いていく『テネメント』が第19回大阪アジアン映画祭の特別注視部門でアジア初上映された。
映画『テネメント』…
母の死を機に、叔母のいるプノンペンを彼氏と訪れた日系カンボジア人の漫画家。クメール・ルージュ時代の荒廃したアパートを借りたことから、民族の血塗られた歴史的記憶を追体験するような感覚に襲われ…。
『ピア〜まちをつなぐもの〜』『ブルーイマジン』の細田善彦さん、『ケンとカズ』の毎熊克哉さんが出演した。
映画『テネメント』は、3月8日(金)18:10よりT・ジョイ梅田でも上映。
かつて主人公の母親が住んでいたのは、クメール・ルージュ時代の荒廃した集合住宅だった。その名は、メタ・ビルディングと呼ばれ、慈悲の家という意味がある。それだけでも、どれほどの虐殺が行われていた場所であろうか、と察してしまう。昼間は、廃れたアパートながらも陽も射し落ち着いて過ごせる場所のようだが、怪しげなスペースが見受けられる。だが、夜になり暗闇に覆われた頃には何らかの儀式が行われているようで、不穏な空気しかない。謎の真相に近づいていくほどに奇怪な出来事に囚われていき、最早現実なのか夢を見るのか境目さえも曖昧になっていく。これほどまでの事態に追い込まれてしまうのならば、主人公の母親が住処から去ってしまうのも仕方がない。ホラー作品でありながらミステリー作品の要素も強く、最後まで存分に楽しめる作品に仕上がっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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