今だからこそ冷静に戦争について見つめられる…『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』福原遥さんと水上恒司さんを迎え舞台挨拶開催!
1945年の日本にタイムスリップした女子高校生が、偶然出会った青年と恋に落ちる『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が全国の劇場で公開中。12月17日(日)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに福原遥さんと水上恒司さんを迎え舞台挨拶が開催された。
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリー。親にも学校にも不満を抱える高校生の百合は、進路をめぐって母親とケンカになり、家を飛び出して近所の防空壕跡で一夜を過ごす。翌朝、百合が目を覚ますと、そこは1945年6月の日本だった。通りがかりの青年である彰に助けられ、軍の指定食堂に連れて行かれた百合は、そこで女将のツルや勤労学生の千代、彰と同じ隊の石丸、板倉、寺岡、加藤らと出会う。彰の誠実さや優しさにひかれていく百合だったが、彼は特攻隊員で、間もなく命懸けで出撃する運命にあった。
本作は、SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛さんのベストセラー小説を映画化。NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の福原遥さんが百合役、『死刑にいたる病』の水上恒司さんが彰役で主演を務める。『光を追いかけて』の成田洋一さんが監督を務め、福山雅治さんが主題歌を担当した。
https://www.youtube.com/watch?v=op-4vT2s6Ok
上映後、福原遥さんと水上恒司さんが登壇。お客様とのコミュニケーションで賑わった舞台挨拶が繰り広げられた。
劇場公開から1週間が経過し、全国の劇場で大阪ステーションシティシネマが動員1位となった本作。福原さんは「本当に嬉しいです。まさかこんなにも沢山の方に観て頂けるとはビックリ、驚きです。1週間経って、周りの方に『良かったよ』と言って頂けたり『戦争のことを勉強するようになった』『色々と考えるきっかけになった』と感想を頂けた。皆と頑張ってよかったな」と感慨深げだ。水上さんも「様々な多くの方に観て頂けた。その上で、1人でも多くの心を動かして日常を忘れてもらえるようなエンターテインメントとして作品の質の高さを常に目指しています。でも、良い結果につながることはなかなか無い稀なことですので…そこを目指しつつ作ったものの、正直驚いてるところは否めない」と真摯に話す。
2人は、NHKの連続テレビ小説への出演にて大阪に縁がある。水上さんはメッセンジャーの黒田さんと親交があり「昨日の舞台挨拶にもお越し頂き、作品も見て頂いた。一昨日は、ご飯を食べていた」と明かす。2人とも黒田さんとは親交があり「本当に優しくて、おもしろい方です」と紹介。福原さんは、1年間住んでいたこともあり「ありとあらゆるところに言ったんです。お好み焼きとたこ焼きはめちゃくちゃ食べました。そして、焼肉が凄く美味しい」と気に入っており「8店舗ぐらい回った。1人で行くこともありました。凄い良い場所でした」と嬉しそうに話す。なお、水上さんも前日の夜に焼肉屋さんに行っており「たらふく食べましたね。しばらく肉はいいや、って思うぐらい」と大満足で本日を迎えている。
ここで、お客様から質問に応える時間が設けられた。劇場販売のグッズに尋ねられ、水上さんは「小っちゃい頃、チラシを全部持って帰ることがありましたね。字も読めない時に」と振り返る。福原さんは「二子玉川の映画館に1人でこの映画を観にいったんです。グッズ売り場で買って下さるのは嬉しいなぁ」と喜びながら「観終わった後、皆さんが拍手をして下さった」と有り難く感じた。なお、パンフレットは増刷を重ねているようだ。劇中で食べた美味しかった料理について聞かれ、福原さんは「一番最初にツルさんから食べさせてくれた麦ごはんとお味噌汁です。凄く美味しくて、いつも食べているものより美味しいんじゃないか、っていうぐらい。本当にいっぱい食べちゃっていましたね」と懐かしむ。水上さんからも「見た目は質素に見えるように作っているんですけど、作っている部署の方が考慮して下さって、味付けはしっかりと美味しく作られているので」と添えていく。水上さんの場合は「霙の雪かき氷。砂糖水だけなんですけども美味しい」と印象深い。福原さんもしっかりと食べており、その姿を見た水上さんは「カットがかかっても食べていたよね」と明かす。さらに、彼氏とのデートで本作を観ることについて伺われ、水上さんは「僕達も、大事な人達とまた見にいきたいな、と思ってもらえるように作っているので、また彼氏と観にいきたい、と思ってもらえて嬉しいです」と感謝。福原さんは「映画を観にいった時、カップルが沢山来て下さっていた。観終わった後、手をつないで帰っていた。素敵だな」と印象深く、デートでの鑑賞をお薦めする。最後に、作品への満足感について聞かれ、水上さんは「自分が出た作品は、本当の意味で、評価できないと思っています。自分の良いところや悪いところも目について、それを次の作品に活かすことを常に考えている職業でもあります。皆様が作品をしっかりと評価して頂いている。観て下さった方々の声や思いが答えだな。僕がどれだけ駄目であろうと良かろうと違う話」と語った。福原さんも「未だに自分の演技は冷静に見れないんです。でも、沢山の方の力が合わさって素敵な映画になっています。この作品に関われて嬉しい。沢山愛して頂けて素直に嬉しいな」と思っている。
最後に、水上さんは「僕等が舞台挨拶を出来ていることや皆様が劇場に足を運んで下さっていることは、平和の証拠だと思います。世界では紛争や戦争が起きている今だからこそ、冷静に戦争を見ようと出来るのかな、と思います。この作品をきっかけに、被害者と加害者がはっきりと分かれていることがない戦争の歴史の中でどんなことがあったんだろう、と考え直す、調べ直す、学び直すきっかけにこの作品がなって下さったら、この時代にこの作品を構想した意味があるかなと思っています。是非、今日は帰ってご家族の皆様にあたたかい愛ある言葉をかけてください」とメッセージ。福原さんは「公開して1週間以上経って、こうやって沢山愛して頂けた。4,5回も観た方がいることも知り、そんなにもあたたかく観て頂けていることを嬉しく思いました。私自身、日々こうして過ごせていることは当たり前じゃないな。1日1日を丁寧に、大切な人をもっと大事に出来るように。その思いが少しでも届いていたらいいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開中。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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