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黒猫の旅路を描いた寓話的ショートフィルム『Bi Gan / A SHORT STORY』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2023年11月1日

©Dangmai Films / ReallyLikeFilms

 

孤独で変わり者の黒猫が、この世で一番大切なものを知るために、3人の奇人を訪ね歩くさまを描いたショートフィルム『Bi Gan / A SHORT STORY』が11月3日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『Bi Gan / A SHORT STORY』は、黒猫とカカシと3人の奇人が織りなす奇想天外な物語を、詩的な映像と寓話的世界観でつづったショートフィルム。変わり者の孤独な黒猫が、自由を求めるカカシに「この世の中で、一番大切なものは?」と質問する。答えに困ったカカシは、黒猫に3人の奇人と会うよう告げる。黒猫は、ほろ苦さと引き換えに希少な飴を配るロボット、食べると記憶が短くなるという麺をすすって愛する人を忘れようとする女、時間を操る魔法を使えるようになるため劇場に棲みついた悪魔と出会う。

 

本作は、『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で知られる中国のビー・ガン監督が手掛け、『共謀家族』のタン・ジュオ、『凱里ブルース』のチェン・ヨンゾンが出演。元々は上海を拠点にパリなどで商品展開する猫グッズのブランド「Pidan」の依頼によって制作されたが、そのクオリティの高さから2022年の第75回カンヌ国際映画祭の短編部門にて発表された。

 

©Dangmai Films / ReallyLikeFilms

 

映画『Bi Gan / A SHORT STORY』は、関西では11月3日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。また、ビー・ガン監督の『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』3Dバージョンがなんばパークスシネマで11月3日(金)から11月5日(日)までの3日間限定上映。なお、初公開時がコロナ禍だったため、関西での3D版上映は初めてとなる。

 

©2018 Dangmai Films Co., LTD – Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD / ReallyLikeFilms LCC.

15分の短篇作品である本作。その中に3つの小さなショート・ストーリーを盛り込んでおり、どの話もビー・ガン監督ならではの撮影や演出の手法で魅力的にディストピアな寓話として仕上げていた。作品ポスターに映し出されている電車の開けっ放しな入口から見える景色を観ていると、不思議な遠近感に襲われてしまう。或る種の異世界への入り口のようでもある。そこで、黒猫は、大きな意味での時間に関する小さな旅をしていく。時間は過ぎていく程に甘さや苦さを伴い、記憶に残しておきたかったり失いたかったり、コントロールしたかったりする。時間に関する多様な性質を理解しながらも、作品は観る者に語りかけていく。大事なことを一つだけでも寓話に込めて映画として無限の可能性を秘めた作品に仕上げていた。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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