“パントマイムの神様”マルセル・マルソーの神髄に迫るドキュメンタリー『マルセル・マルソー 沈黙のアート』がいよいよ関西の劇場でも公開!
2023年に生誕100年を迎えるパントマイムアーティストのマルセル・マルソーの神髄に迫るドキュメンタリー『マルセル・マルソー 沈黙のアート』が10月20日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『マルセル・マルソー 沈黙のアート』は、「パントマイムの神様」と称されるフランスのアーティスト、マルセル・マルソーの真実に迫ったドキュメンタリー。ボロボロのシルクハット姿に白塗りメイクをほどこした道化師のキャラクター「ビップ(BIP)」で世界的に知られるマルセル・マルソー。言葉を発さずに身ぶりや表情のみですべてを表現する彼のパフォーマンスはどのようにして生まれたのかを、豊富なアーカイブ映像を織り交ぜながら描き出す。さらに、第2次世界大戦中にマルソーとともにレジスタンス運動に身を投じた従弟、パフォーマンスアーティストとしてマルソーの遺志を継ぐ3世代の家族、ろうの世界的パントマイマーであるクリストフ・シュタークルの証言などを通し、さまざまな角度からマルソーの人物像とパントマイムの真髄を解き明かしていく。
映画『マルセル・マルソー 沈黙のアート』は、関西では、10月20日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、10月28日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、11月11日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。
「パントマイムの神様」と称されるマルセル・マルソーの神髄に酔い痴れる作品である。今まで様々な俳優やアーティストによるパントマイムを観てきたが、頂点はここだったのか、と思い知られされた。そんな彼の生涯を知り、こんな人生を送ってきたが故に、沈黙の芸術とよばれるパントマイムを大成させたのだな、と気づかされる。ユダヤ人であったがために、過酷な人生を送ってきたが、生死を懸けた環境下において、周囲に喜びを与えられる強さが伝わってきた。そこには”抵抗の精神”があることを改めて知った次第。故に無形のアートして達観した領域にあるのだ。作中での説明はほぼ無く、膨大なアーカイブと今も生きている関係者へのインタビューやイメージによって構成されているが、丁寧に編集されている作品となっている。現在と過去を行き来しながらも、彼が如何にして影響を与えてきたか十分に理解できた。故に、パントマイムが普遍的な芸術であることを世に知らしめているように感じる。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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