上橋菜穂子さんの小説をアニメ映画化!謎の病が発生した世界を舞台にした医療ファンタジー『鹿の王 ユナと約束の旅』がいよいよ劇場公開!
(C)2021「鹿の王」製作委員会
謎の病が発生した世界で、必死に生き残ろうとする父娘と病から命を救うために奔走する医師の姿を描く『鹿の王 ユナと約束の旅』が2月4日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は、謎の病が発生した世界を舞台にした医療ファンタジー。最強の戦士団「独角」の最後の頭であったヴァンは、強大な帝国・東乎瑠(ツオル)との戦に敗れ、奴隷となり岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不思議な山犬の群れが岩塩鉱を襲い、死に至る謎の病「黒狼熱(ミツツァル)」が発生。その隙に逃げ出したヴァンは、幼い少女ユナを拾う。一方、東乎瑠の民だけが病にかかると噂される王幡領では、天才医師ホッサルが懸命にその治療法を探していた。
本作は、「精霊の守り人」で知られる上橋菜穂子による、2015年本屋大賞を受賞したファンタジー小説をアニメ映画化。声優として、戦士ヴァンを堤真一さん、医師ホッサルを竹内涼真さん、ヴァンを追う謎の戦士サエを杏さんがそれぞれ演じる。『もののけ姫』『君の名は。』などの作画監督として知られる安藤雅司が初監督・キャラクターデザイン・作画監督を手がけ、『伏 鉄砲娘の捕物帳』の宮地昌幸さんが共同監督を務める。『攻殻機動隊』シリーズのProduction I.Gがアニメーション制作を担当した。
(C)2021「鹿の王」製作委員会
映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は、2月4日(金)より全国の劇場で公開。
ジブリ作品のような世界観を持ちながら、近代的なアニメーション手法で描く、制作陣の拘りを感じた一作。
謎の病〈黒狼熱(ミッツァル)〉に悩まされる東乎瑠(ツオル)帝国と、ツオルの支配下にあるミッツァルに抗体を持つアカファ王国という娯楽アニメらしからぬ複雑な設定が新鮮。特に、病に関しては、現在のパンデミックと重なる部分があり、アメリカの重傷者数と比較すると日本の重傷者が少なかったコロナ禍初期のニュースを思い出す。
本作は、当初のイメージからは想像できないほど、宗教文化や医療について真正面から描いており、繰り広げられる重厚なストーリーからは、2時間という尺を忘れるほど、ありとあらゆる要素と熱量を感じられた。アニメの話であったとしても、我々人間が現実で直面している物事と深くリンクしているため、単純なエンタメには着地せず、人と人との繋がりに希望をもたらす社会的なメッセージを込めた意義深い作品となっている。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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