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関西出身の2人が魂込めて演じてくれた…!『純平、考え直せ』野村周平さん、柳ゆり菜さん、森岡利行監督迎え舞台挨拶開催!

2018年9月23日

裏社会で一人前になりたいと願うチンピラと孤独なOLとの出会いと交流を現代の世相とともにリアルに描く『純平、考え直せ』が9月22日(土)より全国の劇場で公開された。公開2日目、9月23日(日)には大阪・梅田のテアトル梅田に野村周平さん、柳ゆり菜さん、森岡利行監督を迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『純平、考え直せ』は、直木賞作家・奥田英朗の同名小説を映画化。新宿歌舞伎町で、いつか「一人前の男」になることを夢見ながら、雑用に追われる日々を送る、21歳のチンピラ・坂本純平。ある日、対立する組の幹部の殺害を命じられた純平は「これで一人前の男になれる」と気負い立ち、偶然出会ったOLの加奈と一夜を過ごす。純平から「鉄砲玉になる」ことを聞いてしまった加奈は、純平の熱い情熱に呆れながらも胸の高鳴りを感じ、決行までの3日間を純平と行動をともにする。拳銃一丁と数十万円の支度金を手に、新宿を見降ろすホテルに泊まり、好物の焼肉を好きなだけ食べる純平と加奈は、孤独と不安を慰め合い、次第に惹かれ合っていくが……

野村周平さんが主人公の純平役を、ヒロインの加奈役を柳ゆり菜さんが演じる。監督は『子猫の涙』『女の子ものがたり』『上京ものがたり』を手がけた森岡利行さん。

 

上映後、野村周平さん、柳ゆり菜さん、森岡利行監督が登壇。野村さんから「生粋の阪神タイガースファンというのは僕のことでございます。短い時間なんですけど皆さんに楽しんでもらえたらなぁと思ておりますんでなにかとご唱和お願いしますわ」とコテコテの関西弁でご挨拶。柳さんは「大阪出身なんで、ほんまに地元に帰ってきた感じがして嬉しい限りです」、森岡監督も「大阪出身の監督の森岡です」と大阪出身をアピールして挨拶を行った。

 

関西での舞台挨拶を迎え、野村さんは「せやなぁ。ワテかて関西出身じゃけぇ」と各地の方言が混じりながら「東京(の舞台挨拶)は昨日終わって、関西を周らせてもらってるんですけど、やっぱり関西の人は温かいような気がしますね。熱気が凄いありますね、さすがですわ」とお客さんを絶賛。映画の題材に合わせて「任侠といえば大阪!みたいなところもありますんで。『ナニワ金融道』みたいな、そういう場所で映画を観てもらえるのは凄い嬉しい気持ちですわ」と喜んだ。柳さんも「関西の人達は熱い人達が多いイメージ。大阪の人の肌に合うんじゃないかと思うので、大阪で上映できることがとても嬉しいです」と感謝している。森岡監督は、2人が『ありがとう浜村淳です』に出演したと聞き「本当に嬉しくて昨日は凄く興奮してました」と歓喜した。これを受け、野村さんは「僕も何故か高校生の時に聞いている。そういう話をしていたら『日々ロック』の時から呼んでもらって、出演は3回目」だと明かす。

 

完成した作品を観て、野村さんは「青春映画ではないので、どう思われたかな。僕らは作っている側なので、よかったなと思っているが…」とお客さんの反応が気になっている。好きなシーンについて、柳さんは「バイクのシーンが好きですし、私が髪を切られて野村さんが復讐しにいくシーンも好きですね」と挙げ「加奈としては嬉しいシーンなので、完成した作品を観てカッコいいな」と感じた。森岡監督は「神社で撮影したシーンは何ヶ所かあるんですが、出会いのシーンはカットをかけなかったら、勝手にアドリブで2人でやってたので好きでしたね」と振り返る。野村さんは「どこも基本的に力入れるところばっかやったんですけど」と思い返し、クライマックスシーンを挙げるなかで、森岡監督が「消火器は楽しそうに投げたよね」と添えていく。これを受け「楽しかった。消火器投げて絵に当てるけど『一発しかないからよろしくお願いします』と言われたが、一発でOKもらった。喧嘩のシーンは楽しかったッスね」と嬉しそうに話す。撮影の際には「消火器の中はベビーパウダーとか入っているが、消火器自体は本物なので、投げて人間に当たってもうたらあかんけど怪我無くやれてよかったな」と明かしながら「バリバリ怪我してましたけどね、画面上では。そういうところが役者の凄いトコやな」と讃えた。野村さんは自身の肉体を見せるシーンがあるが「自転車に乗るのが好きなんで、基本的には体の方はいつもパーフェクトは維持してるんです」と宣言。撮影時について、森岡監督は「モニター覗きに来て『可愛いなぁ…俺』って言ってましたからね。ゆり菜ちゃうんかいっ!」とツッコミを入れていた。

 

森岡監督について、野村さんは「ヤクザの人と一緒に仕事してんのかな、最初会った時も怖くて」と告白。実際に仕事をして「見た目は怖いけど、無茶苦茶優しいッスよ。好き勝手にやらせてくれるんで、やり過ぎなところは止めてくれる監督なんで、自由にやらせて頂きました」と感謝している。関西出身者同士の共演となったが「みんな標準語で話すんで、仕事上はアドリブがでけへんようになるんですよ。たまに関西弁のシーンとかあったもんね」と楽しんだ。これを受け、森岡監督は「加奈は地元が関西っていう裏設定があったんです。友達と会う時は関西弁に戻る」と明かす。柳さんは「切り換えはないですけど、ドキッとしますよね。普通やったら怒られるんで、それを良しとされてる感覚は。駄目なことをしている感じ」と打ち明けた。

 

今作は、小説の映画化であるが、野村さんは「漫画の実写化は多いですけど、答えはそこに書いてあるので、やりやすかったりするんすよね。小説はある程度難しいところがありますね。皆が想像している純平というのは何なんやろかを想像しながらやらなあかんところはあるんで」と挙げる。柳さんは「原作では、加奈という役はあまり出てこない。ヒロインにするほどの大きさのある役じゃなかったんですよ。小説は純平の世界観がわかった程度」と解説。そこで「歌舞伎町で働いている女の子なんで、行って歩いている女の子を見て研究しに行きましたね」と役作りに励んだ。

 

最後に、野村さんは「純平という男は真っ直ぐで筋が通って、好きなことに突っ走っていくような青年なんです。最近、こういう青年も少ないなと思って、この純平のように好きなものを見つけて頂けたらなと思って僕も演じていた」と振り返り「好きなものとか人とかを見つけて頂けたらなと思います」と願いを込め「関西の皆さん、ありがとうな」と感謝の気持ちを伝えた。柳さんは「大阪で上映できることは私にとって特別で嬉しいことなんです」と感謝し「この作品はとても熱い作品で、観た後に何かを考え直すきっかけになる作品だと思います。誰かの心に刺さる作品であればいいな」と思いを込める。森岡監督は「ゆり菜が演じる加奈はSNSやケータイにしがみついている女の子なんですけど、生身の純平という人間に出会って、どんどん変わっていく」と加奈の変化を述べる。また「純平が仁義を大事にし礼儀正しかったり、お母さんにちゃんと挨拶しにいったり、先輩にちゃんと挨拶しにいったり。ゴローにも挨拶しにいく。そういうチャーミングな男です。それを野村周平に演じてもらって僕は本当に嬉しいです」と喜んだ。さらに「ゆり菜も一緒に舞台とか稽古やってるんですけど、映画で根性を発揮してくれた。2人が魂込めてやってくれた」と万感の思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『純平、考え直せ』は、9月22日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田、心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・元町の元町映画館で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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