原発推進論者が“地球でもっとも安全な場所”探すドキュメンタリー『地球で最も安全な場所を探して』が関西の劇場でもいよいよ公開!
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イギリス出身の核物理学者、チャールズ・マッコンビーが世界で蓄積する核廃棄物の保管場所を求めて旅をする様子を捉えた、社会派ドキュメンタリー『地球で最も安全な場所を探して』が2月26日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『地球で最も安全な場所を探して』は、世界各地の原発から出る“核のごみ”の処分場を巡る問題に迫ったドキュメンタリー。この60年間に蓄積された高レベル放射性廃棄物は、世界で35万トン以上にも及ぶ。それらは数万年にわたって安全な場所に保管する必要があるが、その施設が十分に整備されないまま、廃棄物は世界中で増え続けている。イギリス出身・スイス在住の核物理学者で、廃棄物貯蔵問題専門家としても高名なチャールズ・マッコンビーが、アメリカのユッカマウンテン、イギリスのセラフィールド、中国のゴビ砂漠、青森県六ヶ所村、スウェーデン、スイスなど各国の最終処分場や候補地を巡り、この問題に真正面から向き合う姿を追う。監督はスイス出身のドキュメンタリー監督エドガー・ハーゲン。
映画『地球で最も安全な場所を探して』は、2月26日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、2月27日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、神戸・元町の元町映画館でも順次公開。
原子力発電所から出される“核のごみ”、高レベル放射性廃棄物は、世界で35万トン以上!数千年にわたって、人間や環境に害を与えない安全な場所に保管する必要がある。必要はあるが、実際には収納可能な施設は未だに作られていない。…と考えると、原発を作り出した科学者を天才と云えるのか…本作には、国際的に廃棄物貯蔵専門家として名高いチャールズ・マッコンビーが登場。世界各地の同胞達と共に取り組んでいく姿を、反原発のエドガー・ハーゲン監督が追いかけていく。一種の皮肉を込めているかのように感じるが、”地球で最も安全な場所”は本当にあるのだろうか。
仮に存在していたとしたら、それは人類が決して近づかないようなとんでもなく深い地底なのか。だからといって、その上に人々が住むようなことになるかもしれないとしたら、素直に応じることは出来ない。地球全体の中で、全くリスクがない場所は事実上存在しないのは明らか。いつ人々の安全が脅かされる事態が起きてもおかしくない中で私達は生きている。さらに放射性廃棄物というリスクが増えるなんて耐え難いのは当たり前である。
なお、本作には、日本の青森県六ヶ所村にある再処理工場も映し出す。施設自体は未だに竣工が大幅に延期しているのが実情だ。来月、東日本大震災から10年目を迎えるにあたり、今一度考えてみるのにも最適な作品の1つと云えるのではないだろうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
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